島津久明

島津久明について

島津久明（しまづ ひさあき）は、江戸時代中期の薩摩藩士であり、万治2年（1659年）に生まれ、享保2年（1717年）に没しました。薩摩藩主・島津光久の十男として生まれ、島津家分家である準次男家の祖となりました。初めは久治、のちに久明、久朗と名乗り、通称は虎之丞、式部、大蔵。一般的には島津大蔵久明として知られています。幼名は虎松。

薩摩藩での活躍

久明は、薩摩藩において家老などの要職を歴任しました。また、吉田、大姶良、福山の地頭も務め、藩政に貢献しました。その能力は高く評価され、藩内で重要な役割を担いました。

小松家との関係

久明は、禰寝清雄の長女を妻としたことで、小松家との間に深い繋がりを持ちました。小松家へ養子を出すことが多く、小松清香から清猷までの小松家当主は、久明の子孫が務めています。特に、小松清宗は、準次男家の当主でありながら、藩命により隠居し小松家の養子となりました。このことから、久明の家系が小松家に与えた影響の大きさがうかがえます。

寛永寺の普請

寛永寺本堂の普請においては、舅である禰寝清雄が奉行、久明が副奉行を務めました。このことからも、久明が藩内で重要な人物として認識されていたことがわかります。

年譜

寛文12年（1672年）：鹿児島城で元服。
天和2年（1682年）：吉田郷地頭に就任。
貞享元年（1684年）：大姶良郷地頭に転任。
貞享3年（1686年）：詰衆となる。
元禄6年（1693年）：福山郷地頭に転任。
元禄13年（1700年）：横目頭に就任。
元禄14年（1701年）：家老に就任。父・光久の命により本家から分家し、準次男家となる。翌月には異母弟の島津久記と島津久房も久明に倣い分家。
正徳元年（1711年）：一所持格に列せられる。準次男家島津家の次男以下は三崎家と称し、明の字を通字とするよう定められる。

家族

母：不明。
妻：亀千代（禰寝清雄の長女。久明のいとこ）
子女：
長男：島津久純（準次男家を継ぐ）
長女：伊集院蔵人久矩の妻
次女：仁禮仲左衛門仲輝の妻
三女：島津十左衛門久置の妻
四女：島津将監久当の妻
次男：島津久迢（準次男家を継ぐ）

まとめ

島津久明は、薩摩藩において重要な役割を果たし、分家を興して後世に影響を与えた人物です。また、小松家との深い関係や、寛永寺普請への貢献など、多方面でその足跡を残しています。

参考文献

村山知一『近世・禰寝文書』（文昌堂、2001年5月）。
『旧記雑録拾遺 諸氏系図3』（鹿児島県歴史資料センター黎明館編『鹿児島県史料』、鹿児島県、1991年）。
『島津氏正統系図』（尚古集成館編、島津家資料刊行会、1985年）。

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