小松清香

小松清香（こまつ きよたか）

小松清香は、江戸時代中期に活躍した薩摩藩士です。家格は一所持。吉利郷の私領主である小松家の当主であり、禰寝（ねじめ）氏から名字を改めて小松氏を名乗った最初の人物として知られています。また、中世の禰寝氏の顕彰にも力を注ぎました。

生涯

正徳4年（1714年）、島津久春（しまづ ひさはる、後に久純と改名）の次男として誕生しました。母は畠山氏。幼名は吉次（きちじ）と称しました。元服したのは享保9年（1724年）のことです。

父・久春の母方の祖父が禰寝清雄（ねじめ きよたけ）であった縁から、享保20年（1735年）に5代藩主・島津継豊（しまづ つぐとよ）の命により、禰寝清方（ねじめ きよかた）の家督を相続しました。延享元年（1744年）には、前藩主・島津吉貴（しまづ よしたか）の八男である安之助（やすのすけ、後の島津忠温、母は近藤嘉包の娘）を養子に迎えました。

宝暦6年（1756年）には、若年寄に就任しました。同年、養子の安之助が今和泉島津家（いまいずみしまづけ）の家督を継ぐことになり（島津忠温）、養子縁組を解消しました。その後、実弟である島津仙十郎（しまづ せんじゅうろう、後の清行）を新たに養子としました。宝暦11年（1761年）には、8代藩主・島津重豪（しまづ しげひで）より、小松氏への復姓を許されました。明和4年（1767年）には帯刀（たてわき）と改名しました。明和6年（1769年）には国老職（こくろうしょく）に就任しました。

安永2年（1774年）には、8代藩主・島津重豪に従い江戸城に登城し、10代将軍・徳川家治（とくがわ いえはる）と世子家基（いえもと）に拝謁しました。同年、藩主世子・虎寿丸（とらじゅまる、後の島津斉宣）誕生の際には、蟇目役（ひきめやく）を務めました。安永4年（1776年）には、職禄として1000石を賜りました。天明元年（1781年）には、長年にわたる国老職での功績が称えられ、100石を加増されました。その後、隠居し、家督を養子の清行（のちの清宗）に譲りました。

天明6年（1786年）10月28日、73歳でこの世を去りました。

系譜

父：島津大蔵久春（しまづ おおくら ひさはる）
母：畠山氏
養父：禰寝清方（ねじめ きよかた）（1714-1734）
室：不詳
養子
男子：安之助（やすのすけ）（1744-1778） - のち島津忠温（しまづ ただはる）。島津吉貴の八男
男子：小松清宗（こまつ きよむね）（1743-1806） - 島津久春の三男
女子：肝付兼満（きもつき かねみつ）正室

参考文献

* 東京大学史料編纂所「新編 禰寝氏正統系図」

もう一度検索