禰寝清雄

禰寝清雄（ねじめ きよかつ）

禰寝清雄は、江戸時代前期に活躍した薩摩藩の武士であり、吉利郷を治める禰寝家の当主です。通称は七郎、八郎右衛門、孫左衛門、丹波と称しました。

生涯

正保3年（1646年）7月23日、禰寝重永の長男として鹿児島に誕生しました。母は北郷忠致の娘です。幼名は安千代と名付けられました。

明暦2年（1656年）には、薩摩藩2代藩主である島津光久が加冠役となり元服。寛文7年（1667年）には、光久の命により禰寝家を相続しました。翌寛文8年（1668年）には四番組頭、番頭役を歴任します。

延宝元年（1673年）には、3代藩主・島津綱貴の帰国許可に対する答礼使として江戸に赴き、江戸城で4代将軍・徳川家綱に謁見しました。延宝3年（1675年）には、再び番頭役として江戸に勤務しています。

延宝9年（1681年）には、綱貴より大隅国の農政を司るよう命じられ、元禄元年（1688年）には、綱貴の命で御詰職に就任しました。

元禄5年（1693年）には、綱貴の命で執事職となり、2000石の禄を賜りました。翌元禄6年（1694年）には、綱貴に供奉して江戸に出府し、江戸城で5代将軍・徳川綱吉に拝謁しています。また同年、大日本史編纂事業を進めていた前水戸藩主・徳川光圀の求めに応じ、禰寝家の系図や文献を閲覧させました。

元禄9年（1697年）には、長年の功績を称えられ、1500石の禄を賜りました。元禄10年（1698年）には、上野寛永寺本堂手伝普請の総奉行を務めました。

元禄12年（1699年）1月27日、江戸藩邸にて54歳で亡くなりました。家督は、綱貴の五男である徳慈丸（清純）が養子として相続しました。

藩政への貢献

禰寝清雄は、家老として殖産興業に尽力し、藩財政の立て直しに大きく貢献しました。特に、櫨（はぜ）の栽培を領民に強制し、そこから得られる蝋を原料とした利益を上げました。

清雄は、藩の財政が改善すれば、櫨の強制栽培は廃止すべきと考えていましたが、この制度は明治維新まで続き、薩摩藩の重要な財源となりました。しかし、維新後には、強制栽培を恨んだ多くの領民によって、櫨の木が切り倒されたといわれています。

系譜

父：禰寝重永（1622年 - 1688年）
母：北郷忠致の娘
室：不詳
長女：亀千代（1667年 - 1742年） - 島津久明室
女子：禰寝清純正室
養子：
男子：愛寿丸 - 島津綱貴の男子
男子：禰寝清純（1696年 - 1724年） - 島津綱貴の五男

参考文献

* 東京大学史料編纂所「新編 禰寝氏正統系図」

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