島津久林

島津久林（しまづ ひさもり）

島津久林は、室町時代に活躍した武将であり、薩摩国島津氏の分家である総州家の5代目、そして最後の当主です。彼は、総州家4代当主・島津久世の子として生まれました。

生涯

久林の生涯は、父・久世の死によって大きく転換します。応永24年（1417年）、父である久世が島津宗家8代当主・島津久豊によって謀殺されるという事件が起こります。この事件により、久林は宗家との対立を余儀なくされます。

父の死後、久林は川内碇山城で抵抗を試みます。しかし、頼りにしていた伊集院頼久が宗家に降伏したため、彼は祖父である守久のもとへ逃れることを余儀なくされます。その後、守久が島津宗家9代当主・忠国に敗れると、久林は守久と共に肥前国へ亡命するという苦難を経験します。

亡命後、久林は真幸院の徳満城に潜伏しますが、宗家による追撃は止むことはありませんでした。最終的に、忠国による急襲を受け、久林は自害に追い込まれます。彼の死によって、総州家は断絶し、その歴史に幕を閉じました。

久林の生涯は、室町時代の動乱期における地方豪族の盛衰を象徴する出来事と言えるでしょう。父の死から始まる宗家との対立、そして最終的な悲劇的な結末は、当時の武士たちの厳しい現実を物語っています。彼の物語は、単なる一武将の興亡史にとどまらず、室町時代の社会情勢を理解する上でも重要な要素を含んでいます。

総州家という分家の当主でありながら、宗家との間で繰り広げられた激しい戦いの中で、その短い生涯を終えた島津久林。彼の名前は、歴史の中に埋もれることなく、後世に語り継がれるべき人物の一人です。

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