島津久武 (旗本)

島津久武（しまづ ひさたけ）は、1667年（寛文7年）に生まれ、1713年10月19日（正徳3年9月1日）に亡くなった、江戸時代前期の旗本です。佐土原藩主であった島津久寿の弟であり、後にその養子となりました。幼名は長菊丸、通称は又十郎、主税と称しました。

生涯

島津久武の父は、佐土原藩の第2代藩主である島津忠興の次男、島津久富（主膳）です。久武は、久富の三男として生まれました。兄の島津久寿は、佐土原藩の第5代藩主（番代）を務めた人物で、後に旗本寄合席となりました。久武は、この兄の養子となり、その家督を継ぐこととなります。

1693年（元禄6年）、久武は兄の旗本寄合席家の家督を継ぎました。翌年の1694年（元禄7年）には、5代将軍徳川綱吉に初めて御目見えを許されています。この時、久武は幕府の旗本として、その一員に加わったことになります。

1697年（元禄10年）、久武は佐土原藩の第6代藩主となる島津惟久の庶長子である堯麟坊（後の島津久睦）を養子に迎えました。この養子縁組は、久武の家系を維持し、後の世代へと繋げるための重要な措置でした。久睦は、後に島津久武の家督を継ぎ、その家系を支えることとなります。

1713年（正徳3年）に、島津久武は46歳で亡くなりました。法名は秀月です。彼の生涯は、旗本としての責任を果たしつつ、家系の存続にも尽力したものでした。

家族

島津久武の妻は、大岡忠高の娘です。この婚姻は、当時の武士社会における有力な家系同士の結びつきを示すものでした。久武には、実子として島津長次郎をはじめとする3人の子供がいました。

また、養子として迎えた島津久睦は、佐土原藩主島津惟久の庶長子であり、久武の死後、その家督を継承し、その家系を支えました。

島津久武は、佐土原藩主の弟として生まれ、旗本として幕府に仕えながらも、自らの家系を維持し、後世に繋げることに尽力した人物でした。彼の生涯は、当時の武士の生き方、そして家系の重要性を物語るものと言えるでしょう。

もう一度検索