島津貴敦

島津貴敦（しまづ たかあつ）

島津貴敦は、江戸時代後期の薩摩藩士であり、大隅郡垂水領の領主、垂水島津家の14代当主です。

生涯

天保3年（1832年）5月14日、垂水島津家当主である島津貴典の長男として誕生しました。幼名は小源太と称しました。安政3年（1856年）には父・貴典の隠居に伴い家督を相続し、垂水島津家の当主となりました。

文久3年（1863年）5月には、薩摩藩主・島津斉彬の命を受け、領内である洲崎に台場を建設しました。これは、外国からの侵略に備えるための重要な拠点となりました。同年8月には、薩英戦争に出陣し、その戦いにおいて武功を挙げました。この戦いでの活躍は、彼の武将としての才能を広く知らしめることとなりました。

明治元年（1868年）に始まった戊辰戦争においても、家老である町田案山子率いる小銃隊を派遣し、新政府軍との戦いに参加しました。この戊辰戦争における功績が認められ、孫である貴暢が明治30年（1897年）に男爵に叙せられることとなりました。

明治2年（1869年）8月、版籍奉還によって垂水領を新政府に返上し、士族となりました。その後、明治9年（1876年）5月15日には家督を貴徳に譲り、隠居しました。明治23年（1890年）9月20日にこの世を去り、その生涯を終えました。

島津貴敦は、激動の時代を生きた武将であり、その功績は薩摩藩の歴史において重要な位置を占めています。

参考文献

* 『垂水市史』第1巻　垂水市史編集委員会、1973年

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