大隅郡

大隅郡（おおすみぐん）

大隅郡は、かつて鹿児島県（大隅国）に存在した郡です。713年の大隅国設置当初から存在した古い郡の一つであり、その領域は時代とともに変化しました。

郡域

1879年（明治12年）に行政区画として発足した当時の郡域は、現在の以下の区域にあたります。

鹿児島市の一部（桜島）
垂水市の大部分（牛根境・新城を除く）
肝属[[郡]]錦江町・南大隅町の全域

歴史

古代

大隅国設置当初から存在した4郡の一つであり、その領域は菱田川・肝属川下流域から鹿児島湾にかけての大隅半島中央部に広がっていました。しかし、禰寝院（荘園）などの分立により、中世には大隅郡という名称は見られなくなります。

承平年間（930年代）に編纂された『和名類聚抄』には、郡内に7つの郷が存在したと記録されています。これらの郷の正確な位置関係は不明確な部分も多いですが、『角川日本地名大辞典』では以下の場所が候補として挙げられています。

人野郷（ひとの） - 現在の垂水市。曽於[[郡]]にも同名の郷が存在しました。
大隅郷（おおすみ） - 現在の志布志市、大崎町東部、曽於市大隅町月野。
謂列郷（いなみ） - 現在の曽於市末吉町南部。
姶﨟郷（あいら） - 現在の鹿屋市吾平町。
禰寝郷（ねじめ） - 現在の錦江町西部、南大隅町北部（旧大[[根占町]]・根占町）。
大阿郷（おおあ） - 現在の鹿屋市南西部（1941年までの大姶良村）。
岐刀郷（きと） - 現在の曽於市大隅町、鹿屋市輝北町。姶羅郡にも同名の郷が存在しました。

近世以降の沿革

所属町村の変遷については、北大隅郡と南大隅[[郡]]のそれぞれの沿革を参照してください。

「旧高旧領取調帳」によると、明治初年時点では全域が薩摩鹿児島藩領であり、43の村が存在しました。

後の北大隅郡域（1郷・18村） - 桜島郷
後の南大隅[[郡]]域（5郷余・25村） - 垂水郷、田代郷、大根占郷、小根占郷、佐多郷および牛根郷の一部

1871年（明治4年）7月14日、廃藩置県により鹿児島県の管轄となります。

1879年（明治12年）2月17日、郡区町村編制法の鹿児島県での施行により、行政区画としての大隅郡が発足し、「垂水郡役所」が管轄しました。

1887年（明治20年）5月9日、大隅郡は分割され、桜島郷の区域をもって北大隅郡が、残りの区域をもって南大隅[[郡]]がそれぞれ発足し、同日をもって大隅郡は廃止されました。

脚注

参考文献

鹿児島県総務部参事室編『鹿児島県市町村変遷史』 鹿児島県、1967年。
『鹿児島県の歴史』 山川出版社、1999年、ISBN 4-634-32460-1
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 46 鹿児島県、角川書店、1983年3月1日。ISBN 404001460X。
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

消滅した郡の一覧
大住[[郡]]

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