巌雄謙治

巌雄 謙治（がんゆう けんじ）について

巌雄 謙治は1970年8月6日に兵庫県姫路市で生まれました。彼の本名は平野 建司（ひらの けんじ）ですが、後に兼司や李 建司とも呼ばれることがありました。身長185cm、体重173kgという恵まれた体格を持つ彼は、相撲界で右四つ、寄り、叩きといった技を得意としていました。巌雄は1997年9月場所で西前頭筆頭にまで昇進し、彼のキャリアのハイライトとなります。

相撲キャリアの始まり

巌雄は姫路市立朝日中学校に在籍中、バスケットボールや砲丸投を経験しましたが、中学3年生の時から相撲を始めます。新日本製鐵広畑相撲教室に通い、本格的に相撲の道を歩き始めました。引退間近の北の湖親方から入門を勧められ、1986年3月に初土俵を踏みました。彼は北の湖部屋の最初の入門力士であり、北の湖の一番弟子として知られています。

入門からわずか2年半で幕下に昇進したものの、怪我により序二段まで落ちた時期もあります。それでも1991年11月場所で東幕下筆頭として勝ち越しを決め、約7年かけて新十両に昇進することに成功しました。残念ながら、初の新十両では7日目から9連敗し、3勝12敗という成績であえなく幕下に降格してしまいます。

成功と挫折の繰り返し

その後は怪我に悩まされながらも、1995年5月場所で幕下優勝を果たし、翌7月場所では3年半ぶりの十両昇進を達成しました。この時の成績は9勝6敗で、関取としての初勝ち越しも果たしました。1996年3月場所では新入幕を果たし、その後は中位で安定した成績を残しましたが、上位に定着することはできませんでした。1999年には十両に降格し、さらに続く場所で負け越しが続いたため、2000年に引退を決意しました。

巌雄の相撲スタイルは、仕切り線に近いところで立ち、左上手を活かした寄り取りで特徴づけられました。しかし、両膝の負傷が影響し、下がり出すと脆さが目立ちました。そのため、安定した上位定着には至りませんでした。

引退後の活動

引退後、巌雄は準年寄として活動を始め、その後年寄・小野川を経て、山響を襲名しました。2014年、公益財団法人に移行した日本[[相撲協会]]では、評議員に就任し、多くの活動に携わりました。評議員在職中は名前が本名の「平野 兼司」と表記されました。

また、2015年に北の湖部屋の師匠である北の湖敏満が急逝し、緊急措置として師匠代行となりました。その後、部屋を継承し、山響部屋を設立しました。彼は2016年の理事候補選挙で当選し、理事としての役目も果たしました。相撲教習所の所長も務め、2020年には無投票で当選するなど、相撲界において重要な役割を担い続けました。

エピソードと友情

巌雄は元在日韓国人（3世）であることを公言し、長野オリンピックでは韓国選手団の先導を務めました。彼は同年生まれの蒼樹山、敷島と親しい関係にあり、現役時代は共に高みを目指しました。また、吉本新喜劇にもゲスト出演するなど、多彩な活動も行っています。現役時代に使っていた化粧廻しは北の湖が手がけた一品で、その思い出深い品としても知られています。

まとめ

巌雄 謙治は相撲界において多くの業績を残した力士であり、引退後も相撲界に貢献し続けています。その生涯には数々の成功と挫折がありましたが、仲間や大切な人々との強い絆に支えられながら、相撲の魅力を伝えていくことでしょう。

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