川勝秀氏

川勝 秀氏の生涯

川勝秀氏（かわかつ ひでうじ）は、1555年に丹波国の美山町にて生を受けました。彼は室町幕府の将軍、足利義輝の奉公衆であった父、川勝継氏の嫡男として生まれ、武士の家系に育ちました。秀氏は若い頃から父と同様に義輝の下で仕官し、戦国時代の混乱の中でその名を高めていきました。

足利将軍家が衰退すると、川勝は織田信長に仕官します。1577年、信長の指揮の下で紀州征伐に参加し、その戦功から感状を賜ります。この功績により、秀氏はその後、豊臣秀吉の馬廻として仕え、「秀」の字を与えられ川勝秀氏と名乗るようになりました。

1582年には丹波国何鹿郡内に3,535石を与えられ、父の家督を継いで約1万石を領有していたとされます。彼は文禄元年（1592年）からの文禄・慶長の役にも関与し、肥前名護屋城において70名を率いる御後備衆の一員として活躍しました。この時期、彼は従六位上の主水正に叙任され、地位を確立しました。

さらに、関ヶ原の戦いとなる1600年には、小野木重次に従って西軍に参加し、丹後の田辺城攻撃においてその功績を示します。しかし、東軍とも通じていたため、戦後には許免を受け、ブラックリストから脱することができました。

戦後、川勝氏は丹波国内での転封を受け、家康から指名を受けて丹波黒井城の最後の城主として任命されました。彼はその後、丹波の地域で旗本家を設立し、慶長期には細川三斎の推挙によって大名家としての地位を確立しました。

川勝秀氏は1606年には駿府城の造営を担当し、当年の3月にはその功績に対して御書を賜るなど、領民の指導としての役割も果たしました。彼は1607年に逝去し、享年は享年について異説があり、53歳とも33歳とも言われています。家督は彼の嫡男、廣綱が引き継ぎました。

川勝氏の歴史は、戦国から江戸時代に至る動乱の時代を背景に、日本の武士の役割や忠誠心、変遷を物語っています。彼の家紋には桐に鳳凰、釘抜、五三桐があり、その子孫は今もなおその名を伝えることでしょう。

参考文献

• - 『寛永諸家系図伝（第14）』続群書類従完成会、1992年
• - 堀田正敦『国立国会図書館デジタルコレクション 寛政重脩諸家譜. 第7輯』國民圖書、1923年
• - 阿部猛; 西村圭子 編『戦国人名事典』（コンパクト版）新人物往来社、1990年

関連項目

• - 川勝氏
• - 田辺城の戦い

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