川尻 (相模原市)

川尻の地域情報

概要

川尻（かわしり）は神奈川県相模原市緑区に属する地名で、かつては津久井郡城山町の一部でした。現在、川尻は住居表示の未実施区域として存在し、旧城山町の北部および南東部に分かれています。この地域には、若葉台、町屋、広田、久保沢、向原、原宿、谷ヶ原、城山、原宿南といった、川尻から分離された新しい地名が近接しています。

川尻の中央には国道413号（津久井往還）が通り、久保沢や原宿といった集落がこの道路沿いに発展しました。1980年代以降は宅地化が進み、周辺地域との連続的な市街地形成が見られました。それに伴い、住居表示や町名地番整理が行われ、川尻の現在の形態が確立されていきました。

地理

川尻は元々旧城山町の北東部に位置し、西部は高尾山などの丘陵といくつかの谷戸からなっています。一方、東部は相模原台地の北西端で、相模川の左岸に形成された河岸段丘が広がっています。北側は境川を挟んで東京都町田市の相原町と接しており、南東部には農地が広がる大沢地区が隣接しています。

さらに、上九沢地区から水源を持つ鳩川の上流側にあたる川尻は、水流が見られない地域ですが、農地は全て畑として利用されています。北西部には丘陵と谷戸があり、雨降、滝尻、風間といった集落が点在しています。山間部には里山の情景が残り、カタクリの群生地も春に公開されるスポットとして知られています。

河川・ダム

川尻には相模川や境川といった主要な河川が流れ、また本沢ダムおよび城山湖が存在します。本沢ダムは相模川に建設された城山ダムに付随し、安全のための上池として利用されています。川尻の水は、緊急時を除いて境川には放流されることはありません。この湖の周辺には、都県境が景観的に続いています。

歴史

歴史的に見ると、川尻は相模国高座郡に属していましたが、江戸時代初期には津久井領に編入され、1870年には津久井郡に改称されました。当時、川尻村もしくは河尻村として記録されています。1667年には、上川尻村と下川尻村に分割され、両村は津久井往還を貫通され、その後1875年に再合併し川尻村と名付けられました。

1889年には町村制が施行され、川尻村は津久井郡に所属しましたが、1955年には川尻村が湘南村および三沢村と合併して、市制を施行した津久井郡城山町となりました。この合併の際、川尻村役場が新たな町役場となり、地域の商業の中心地としての地位を維持しました。

1970年代以降は隣接する相模原市での宅地化が進展し、特に京王相模原線の延伸計画が町の発展に寄与しました。また、1990年代には原宿地区での土地区画整理事業や住居表示の実施が進み、新たな町名が編成されるなど、川尻は分断されていきました。

まとめ

川尻は、歴史的な背景や地理条件から商業の中心地として栄えた地域であり、現在も周囲の発展とともに形を変えてきました。丘陵や河川、さらには周囲の農地と調和した美しい風景が残る川尻は、地域の暮らしや歴史を語る重要な地域と言えるでしょう。

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