昭和駅

昭和駅

神奈川県川崎市川崎区扇町に位置する、東日本旅客鉄道（JR東日本）鶴見線の駅です。駅には「JI 09」という駅番号が付与されています。

歴史

当駅の歴史は、まず鶴見臨港鉄道が運営していた時代に遡ります。1931年（昭和6年）3月20日、同社の駅として「昭和停留場」の名称で開業しました。この時点では旅客営業のみを行っていました。

太平洋戦争中の1943年（昭和18年）7月1日、鶴見臨港鉄道は国有化され、国の鉄道網の一部となりました。これに伴い、昭和停留場は「昭和駅」に昇格し、鉄道省（後の日本国有鉄道）鶴見線の駅となりました。

利用者の少ない産業地域に位置するため、1971年（昭和46年）3月1日には駅員無配置の無人駅となりましたが、利便性向上のため自動券売機が設置されました。

その後の国鉄分割民営化を経て、1987年（昭和62年）4月1日からはJR東日本の管轄駅となりました。

ICカード「Suica」のサービスが開始されると、2002年（平成14年）3月22日から当駅でも利用できるようになりました。

しかし、無人駅での利用状況の変化に伴い、2016年（平成28年）9月30日をもって自動券売機での切符販売やICカードへのチャージ機能は終了しました。

施設の老朽化などもあり、2017年（平成29年）9月30日には新しい駅舎の供用が開始されました。この新駅舎は、自動券売機のスペースなどが省略された、より簡素な構造となっています。

駅名の由来

駅名の「昭和」は、かつてこの地の近くに工場を構えていた「昭和肥料株式会社」（後の昭和電工、現在のレゾナック・ホールディングス）に由来しています。同工場の最寄り駅として開設されたことから、その名前が付けられました。

なお、川崎市川崎区内には「昭和」という地名が存在しますが、これは当駅の名称とは直接的な関係はありません。

駅構造

昭和駅は地上駅であり、プラットホームは単式ホーム1面、それに接する線路が1本の構造（1面1線）となっています。駅施設は、隣接するレゾナック川崎事業所の敷地に寄り添うように設けられています。

前述の通り無人駅であり、駅には簡易式のSuica改札機が設置されています。ホームの一部には利用者のために屋根が設けられています。2017年に建て替えられた駅舎は、機能を限定したシンプルな造りとなっており、残念ながらトイレは設置されていません。

ホームに面した鶴見線の電車線と平行して、もう一本の線路が敷かれています。これは浜川崎駅と扇町駅を結ぶ貨物専用の線路です。浜川崎駅と扇町駅の間は、鶴見線の旅客列車が走る線路とこの貨物線が並行して敷かれている単線並列区間であり、複線ではありません。

また、かつては当駅の手前で貨物線から分岐し、道路を横断して東亜石油京浜製油所扇町工場へと続く専用線が存在しました。これは浜川崎駅構内の扱いでしたが、2011年（平成23年）9月30日の工場閉鎖に伴い使用されなくなっています。

所在地は川崎市内ですが、運賃計算上のJRの特定都区市内制度においては「横浜市内」の駅として扱われるという特徴があります。

利用状況

主に周辺の事業所への通勤に利用される駅ですが、鶴見線本線の中では最も利用客が少ない駅として知られています。また、鶴見線全線で見ても新芝浦駅に次いで2番目に少ない駅です。

公式発表されている近年の数値としては、2008年度の1日平均乗車人員が569人でした。しかし、無人駅であることから正確な利用実態の把握が困難になったため、2009年以降の駅別乗車人員はJR東日本によって非公表となっています。

駅周辺

駅周辺は主に工場や事業所が立ち並ぶ産業地域です。公共交通としては、駅前および近隣の「レゾナック前」バス停から路線バスが利用できます。

バス路線

昭和駅前
川崎市バス：川崎駅、扇町方面
レゾナック前
川崎鶴見臨港バス：川崎駅前、三井埠頭方面

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）鶴見線

* 浜川崎駅 (JI 08) - 昭和駅 (JI 09) - 扇町駅 (JI 10)

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