川田健太郎

川田 健太郎

川田 健太郎（かわだ けんたろう）は、1983年12月9日生まれ、東京都新宿区出身の日本のピアニストです。

略歴と教育

東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校を卒業後、ロシアへ渡り、チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院本科にて研鑽を積みました。この間、ロームミュージックファンデーションの海外派遣奨学生として支援を受けました。学生時代から精力的に演奏活動を開始し、ピアニストとしてのキャリアを築いていきます。

演奏活動

川田氏は、ソリストとして、また室内楽奏者として、日本全国各地で幅広い演奏活動を行っています。特にソリストとしては、数多くの著名なオーケストラとの共演経験があります。これまでに共演した主なオーケストラには、東京フィルハーモニー交響楽団、東京ニューシティ管弦楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団、九州交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団など、日本の主要な楽団が含まれます。

受賞歴

ピアニストとしての実力は、国内外のコンクールで高く評価されています。主な受賞歴は以下の通りです。

第14回かながわ音楽コンクール 中学生の部 第1位
第1回青少年盛岡国際ピアノコンクール 第3位
第4回東京音楽コンクール 第3位
第15回セルゲイ・ラフマニノフ国際ピアノコンクール ファイナリスト
令和3年度愛知県芸術文化選奨 文化新人賞

教育活動と社会貢献

演奏活動と並行して、教育者としても後進の指導にあたっています。上野学園大学・高等学校・中学校や白梅学園大学・短期大学で非常勤講師を務めたほか、上野学園大学では横山幸雄、田部京子両教授のアシスタントも兼任しました。2020年からは名古屋芸術大学にて専任講師として勤務し、2023年4月からは同大学の准教授に就任しています。

また、若い芸術家の育成・支援を目的とする特定非営利活動法人（NPO法人）「芸術・文化 若い芽を育てる会」の発足当初より携わり、現在も理事としてその運営・活動に貢献しています。

主要なプロジェクト参加・演奏歴

クラシック音楽の枠を超え、様々なジャンルのプロジェクトにも積極的に参加しています。特筆すべき活動は以下の通りです。

2014年: 手塚治虫原作の音楽劇「ルードウィヒ・B ベートーヴェン～歓喜のうた～」（東京・大阪公演）において、バンドマスター兼ピアニスト、指揮を担当。
2015年: 作曲家・千住明氏の「活動30周年 千住明 個展コンサート2015」大阪公演にて、千住氏自身の指揮のもとピアノ協奏曲「宿命」のソリストを務める。
2016年: 自身が企画・出演する「川棚の杜で川田健太郎が始める、新たなプロジェクト2016“音楽ノ力”」を開催。
2016年: 「千住明 コンサート Calender」ツアーのピアニストを担当。
2018年: 小説『蜜蜂と遠雷』のリーディング・オーケストラコンサート「コトダマの音楽会」（東京・大阪公演）でピアノ演奏を担当。
2019年: NACSYMPHONY 2019 「COLOR～彩り続けた楽曲たちの調べ」全国ツアーでピアノ演奏を担当。
2021年: シンフォニー音楽劇『蜜蜂と遠雷』～ひかりを聴け～（神奈川・大阪・福岡公演）でソロピアニストを務める。
2023年: 羽生結弦氏の単独公演「Yuzuru Hanyu ICE STORY 2023 “GIFT”」にてソロピアニストとして出演。
2024年: 【yomibasho vol.４ 堀井美香 音楽朗読会】でピアノ演奏を担当。

録音・メディア出演

映画、テレビドラマ、アニメ、ラジオドラマ、ドキュメンタリー番組など、多岐にわたるメディア作品の録音にも参加しています。

映画「のだめカンタービレ 最終楽章」：手元での演奏吹替、演奏指導
NHKドラマスペシャル「心の糸」：手元での演奏吹替、演奏指導
アニメ「金色のコルダ Blue♪sky」：参加
NHK8K番組「ルーブル 永遠の美」「ルーブル美術館～美の殿堂の５００年～」：ピアノ、オルガン、チェンバロ演奏
アニメ「ルパン三世 グッバイ・パートナー」：メインテーマおよび劇中曲の演奏
日能研presents ラジオドラマ「風立ちぬ」：クラシックピアノ部分を担当
* NHK大河ドラマ「光る君へ」：劇伴音楽のピアノ演奏

また、音楽雑誌「音楽の友」（2023年5月号）の特集「グレン・グールドをもういちど」において、対談形式のインタビューが掲載されるなど、メディアにも登場しています。

川田健太郎氏は、その卓越した演奏技術に加え、教育、社会貢献、多様なジャンルへの挑戦といった幅広い活動を通じて、日本の音楽界に多大な貢献を続けているピアニストです。

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