川田義朗

川田義朗（かわだ よしあき）は、生年不詳ながら、文禄4年7月24日（1595年8月29日）に没した、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将です。島津氏の家臣として、その名を歴史に刻みました。掃部介、のちに駿河守を名乗り、幼名は宮松丸、通称は助太郎と称しました。初名は義照、入道してからは牛室と号しました。実父は比志島義貞、養父は川田義秀です。川田国鏡を養子としています。

武将としての川田義朗は、伊集院忠朗（あるいは岩切信朗とも）に師事し、兵術の奥義を極めたと伝えられています。その卓越した軍事的能力から、島津義久の軍配者（軍事における加持・祈祷、天候・日時・方角などを占う、本来の意味での軍師）として重用されました。また、垂水の地頭職も務め、領地経営にも手腕を発揮しました。25歳の時には、一世不犯を条件に川田家の家督を継承しています。

川田義朗の軍配者としての活躍は、数々の戦で確認できます。天正4年（1576年）、島津軍が日向伊東氏の高原城を攻めた際には、8月19日に軍配者を務め、城の落城に貢献しました。その後の28日には、小林城での戦勝祝賀にて、勝ち鬨を上げる奏者を務め、勝利の喜びを分かち合いました。さらに、天正6年（1578年）の耳川の戦いでの勝利後、10月13日にも再び勝ち鬨を上げる奏者を務め、将兵の士気を高めました。天正12年（1584年）の沖田畷の戦いでは、「今日の兵気は大将軍を得るの気である」と士卒を励まし、見事勝利に導いたとされています。これらの戦での活躍は、彼の軍事的な才能と、部下からの信頼の厚さを物語っています。

文禄4年にこの世を去りました。法名は州嶽寿益大禅伯です。川田義朗は、その生涯を通じて、武将として、また領主として、島津氏に大きく貢献した人物として、後世に語り継がれています。彼の卓越した軍事的能力と、その人柄は、多くの人々に影響を与えたことでしょう。

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