工藤隆治

工藤隆治は、1878年（明治11年）8月5日に徳島県麻植郡西尾村（現在の吉野川市）で生まれ、1966年（昭和41年）12月7日に亡くなった、日本の海軍軍人であり政治家です。最終階級は海軍主計大佐であり、徳島市長を務めた人物として知られています。

経歴

工藤隆治は、1906年（明治39年）に東京帝国大学法科大学政治科を卒業後、海軍に入隊しました。海軍では、中主計、大主計、主計少監、主計中監と順調に昇進し、最終的に主計大佐にまで至りました。その間、海軍省経理局第二課長、海軍大学校教官、広海軍工廠会計部長といった要職を歴任しました。これらの役職を通じて、海軍の経理、教育、会計といった多岐にわたる分野で重要な役割を果たしました。

1924年（大正13年）には、海軍を予備役となり、その後は地方行政の世界へと進みます。1928年（昭和3年）には東京市主事・商工課長に就任し、東京の行政に携わりました。さらに、1932年（昭和7年）には品川区長、1936年（昭和11年）には下谷区長を務め、東京の区政を担いました。これらの経験を通じて、地方行政の知識と経験を深めました。

1937年（昭和12年）、工藤隆治は故郷である徳島市の市長に選出され、1941年（昭和16年）までその職を務めました。市長在任中は、市政の発展に尽力し、地域社会に貢献しました。海軍での経験と東京での行政経験を活かし、徳島市の発展に大きく貢献しました。市長退任後は、日本製靴株式会社の顧問を務め、実業界でもその知識と経験を活かしました。

工藤隆治の生涯は、海軍軍人としてのキャリア、東京での行政官としての経験、そして故郷の市長としての活躍と、多岐にわたる分野で貢献したものでした。彼の業績は、日本の近代史における重要な一側面を映し出すものとして、後世に語り継がれています。

参考文献

『自治制実施五十周年記念 全国市長銘鑑』帝国自治協会、1938年。
人事興信所編『人事興信録 第14版（上）』人事興信所、1943年。
* 『日本の歴代市長 第3巻』歴代知事編纂会、1985年。

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