巨黍県

巨黍県の概要

巨黍県（コソけん）は、現在の大韓民国龍仁市水枝区及び器興区にあたる、新羅時代に存在した行政区域です。この地域は、高句麗時代には「駒城」と呼ばれ、その名は「大きい城」または「高い城」を意味しました。また、別名として「滅烏」という名称もあり、こちらは特に高句麗の軍事的な出来事と関連づけられています。

新羅の景徳王時代、当時の日本の国郡制を参考にして郡県制が整備され、地名が変更されて「漢州の領県」となりました。『大東地誌』によれば、この改称は757年に行われたことが詳細に記されています。

地名の由来

巨黍県という名は、元々は百済の地名「滅烏（ミョロ）」から派生したもので、「ミョロ」という音は現代の朝鮮語で「マルア」と読みます。この「マル」という言葉は、朝鮮語で「大きい」を意味します。したがって、巨黍の名は「大きなもの」を意味する漢字表記から来ていると考えられています。また、駒城という名称も同様に「大きい」や「馬」を暗示することで、高句麗の影響を受けていることが分かります。

滅烏の由来には、高句麗軍が百済軍を討伐した際、百済軍の死体にカラスが集まったことが関連しているとされているものの、信憑性には疑問が残ります。このように、地名には多くの歴史的背景が存在しています。

沿革

百済によって統治されていたこの地域は、475年に高句麗軍の南侵により高句麗の領土となり、駒城県が設けられました。その後、聖王の時代には百済が一時的に領土を取り戻しましたが、真興王によって再び新羅の支配下に組み込まれました。757年には巨黍県に改称され、京畿道広州郡の直轄地とされました。

その後、高麗時代には龍駒県と名を改められますが、独立した行政単位とはならず、広州牧の属県として扱われました。1172年には監務が設置され、その後朝鮮王朝（李氏朝鮮）に入ると、1413年に処仁県と統合され、龍仁県が設立されました。この際、県庁が巨黍に置かれ、従五品の県令が派遣されました。

朝鮮末期には面里制によって区域が16に分割され、1895年には二十三府制の導入によって行政組織が再編成されました。この結果、郡に昇格し忠州府が管轄する龍仁郡となり、治所が水余面に移転しました。翌年には再び京畿道に属し、4等郡とされました。

日本の統治時代である1914年には、朝鮮総督府の行政統廃合によって近隣の区域と合併され、現在の龍仁市に類似した地域が形成されました。郡庁も多くの変遷の後に設置され、1914年以降の歴史については龍仁市に直接関連するため、詳細についてはそちらを参照してください。特に1996年には都農複合形態市への昇格があり、新たな歴史を刻んでいます。

結論

巨黍県は、新羅時代から高麗、李氏朝鮮時代を経て現代に至るまで、様々な歴史的な変遷を経てきました。この地域の地名や沿革は、当時の政治的・社会的状況を反映しており、南北国時代から日本統治時代までの変遷をたどることで、韓国の歴史における重要な一端を理解する手助けになるでしょう。

もう一度検索