巻町

巻町（まきまち）は、かつて新潟県西蒲原郡に属していた町です。2005年10月10日に新潟市へ編入合併し、その歴史に幕を閉じました。現在の新潟市は政令指定都市に移行しており、旧巻町の大部分は西蒲区の一部となり、大字四ツ郷屋は西区に編入されています。

この記述は、合併直前の旧巻町に関するものであり、現在では名称や状況が異なる場合があります。詳細については、新潟市西蒲区#巻地区などの記事をご参照ください。

概要

巻町は、西蒲原郡の中心的な役割を担っていました。古くは郡役所をはじめとする官公庁が置かれ、昭和初期には旧制中学校も設置されるなど、周辺町村からの通勤・通学者を集める拠点でした。平成時代に入っても3つの県立高校（後に統合されて2つ）が存在し、教育面でも重要な役割を果たしていました。

町域には、三根山藩が存在し、長岡藩に米百俵を送ったことで知られています。また、巻原子力発電所の建設の是非を問う住民投票が全国で初めて行われた場所としても注目されました。この住民投票は、その後の全国的な反原発運動に大きな影響を与えました。

合併直前の調査では、新潟市への通勤率は28.9%でした。

地理

巻町の大部分は越後平野に位置する平野部です。西部は、角田浜や越前浜などの海水浴場がある日本海に面しています。平野と海岸の間には角田山がそびえ、現在の新潟市域では多宝山のある岩室村に次いで標高の高い自治体でした。

隣接していた自治体

新潟市
西蒲原郡：吉田町

歴史

近世には、西川の舟運を利用した在郷[[町]]として発展しました。

1886年（明治19年）：仁箇村と横山村が合併し、仁箇村が成立。
1889年（明治22年）4月1日：町村制施行により、14ヶ村が発足。
1891年（明治24年）4月10日：西蒲原郡巻村が町制を施行し、巻町となる。
1901年（明治34年）1[[1月1日]]：合併により新たに4ヶ村が発足。
1947年（昭和22年）10月10日：昭和天皇が戦後巡幸で県立鶏種場などを視察。
1949年（昭和24年）：漆山村の一部を編入。
1955年（昭和30年）1月1日：巻町が周辺5ヶ村を編入し、新制「巻町」となる。
1955年（昭和30年）7月10日：西川町の一部を編入。
1960年（昭和35年）4月1日：岩室村の一部を編入。
1977年（昭和52年）2月：西川町の一部を編入。
1982年（昭和57年）4月1日：前年に閉園した新潟遊園が越前浜へ移転し開園。
1994年（平成6年）10月30日：新潟遊園が閉園。
1996年（平成8年）8月4日：巻原子力発電所の建設の是非を問う全国初の常設型住民投票条例による住民投票が実施され、原発反対派が勝利。
2005年（平成17年）10月10日：新潟市へ編入合併し、消滅。

市[[町村]]合併・行政区域の変遷

1886年（明治19年）から2005年（平成17年）にかけて、巻町は周辺町村との合併や編入を繰り返しました。特に1955年（昭和30年）には大規模な合併が行われ、現在の巻町の形がほぼ確立しました。

地域

旧巻町は、巻地区を中心に、浜地区、松野尾地区、峰岡地区、漆山地区など、複数の地区で構成されていました。

行政

巻町の町長は、1955年から2005年の合併まで複数の方が務められました。

経済

巻町では、かつて「越後の毒消し売り」が有名でした。また、漁業も盛んで、巻漁港は全国的にも珍しい漂砂海岸に建設された漁港でした。町内にはブルボン巻工場や峰乃白梅酒造などの企業も存在しました。

教育

巻町には、小学校、中学校、高校のほか、新潟県農業大学校がありました。多くの学校は、合併に伴い廃校や再編が行われました。

交通

鉄道はJR東日本越後線が通り、巻駅が設置されています。道路は北陸自動車道や国道116号、460号が走り、県道も複数存在します。

文化・娯楽

巻町には、映画館や文化会館があり、地域の文化活動を支えていました。また、角田山や海岸、温泉などの観光スポットもあり、多くの人が訪れていました。

名所・旧跡・観光スポット・祭事

巻町には、弘法清水や平沢清水などの清水、菖蒲塚古墳や山谷古墳などの古墳、角田山や海水浴場などの自然、湯の腰温泉や福寿温泉などの温泉、矢垂川のホタル、カーブドッチ・ワイナリーなど、歴史と自然に彩られた多くの名所がありました。

出身有名人

巻町からは、書家の巻菱湖、教育者の平野秀吉、実業家の田辺熊一、版画家の深沢索一、漫画家の寺田ヒロオなど、多岐にわたる分野で活躍した人物が多数輩出されました。

巻町は、その歴史と文化、そして住民の熱意によって、新潟市へとその歴史を繋いでいます。

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