巽

巽（そん）について

巽（そん）は、八卦（はっけ）の一つであり、その形は☴で表されます。これは、初爻（しょこう）が陰、第2爻・第3爻が陽で構成されていることを意味します。また、六十四卦（ろくじゅうしけ）の一つでもあり、その場合は巽為風（そんいふう）と呼ばれ、巽下巽上（そんかそんじょう）で構成されます。

卦象（かしょう）

巽は、以下のような事物や概念を象徴します。

自然現象・事物: 風（木）、入
動物: 鶏
人体: 股、血管、毛髪、小腸、大腸、気管支、呼吸器
人物: 長女（結婚適齢期の女性）
その他: 縁談、長いもの一切、伏入

これらの卦象は、巽が持つ特性や意味合いを理解する上で重要な要素となります。例えば、「風」は巽の基本的な性質を表し、「入」は巽が持つ浸透性や柔軟性を示唆します。

方角

巽は、東南の方角に対応します。方位を十二支で分割した場合、北東、東南、南西、西北を表現するために、八卦が用いられました。八卦では、北から時計回りに坎（かん）、艮（ごん）、震（しん）、巽（そん）、離（り）、坤（こん）、兌（だ）、乾（けん）が配置され、それぞれの方角を示します。巽は辰（たつ）と巳（み）の間に位置することから、「たつみ」とも呼ばれます。

納甲（なっこう）

納甲において、巽には辛（かのと）、五行の金、五方の西が当てられます。これは、巽が持つ性質やエネルギーが、これらの要素と関連性があることを示唆しています。

先天図（せんてんず）

伏羲先天八卦（ふっきせんてんはっけ）における巽の次序は五であり、方位は四隅卦（しぐうけ）の一つとして西南に配されます。陰陽消息（いんようしょうそく）においては、一陰が生じたところとされます。

巽の解釈と応用

巽は、その象徴する事物や概念から、様々な解釈や応用が可能です。例えば、風の性質から、柔軟性や適応性を重視する場面で巽の考え方が用いられることがあります。また、長女を象徴することから、女性の役割や可能性を探求する際に巽が参照されることもあります。

巽を理解することは、易経（えききょう）の世界をより深く探求するための重要なステップとなるでしょう。

脚注

八卦の詳細については、関連書籍や専門サイトをご参照ください。
納甲や先天図については、易学の専門知識が必要となる場合があります。

関連項目

辰巳（たつみ）
* 巽町（そんちょう） - 巽北、巽中、巽西、巽東、巽南

この解説を通して、巽に対する理解が深まり、易経の世界への興味がさらに広がれば幸いです。

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