市立函館博物館

市立函館博物館の紹介

市立函館博物館は、函館市青柳町の函館公園内に位置する公立の総合博物館です。その歴史は1880年に開場した開拓使函館支庁仮博物場まで遡ります。1966年には市立博物館として正式に開館し、以降、多くの来館者に親しまれています。博物館内には本館と、郷土資料館（元・金森洋物店）があります。郷土資料館は1969年に開館し、地域の文化や歴史を深く理解するための貴重な資料が展示されています。

展示内容

市立函館博物館では、自然科学から人文科学に至るまで、約62万点にも及ぶ多彩な展示物や収蔵資料を誇ります。主な収蔵品には、志苔館出土の重要文化財である「北海道志海苔中世遺構出土銭」や、考古学資料として函館空港遺跡やサイベ沢遺跡から出土したものがあります。また、美術工芸品にはアイヌ風俗画や、蠣崎波響による作品が含まれるなど、地域に根ざした文化を紹介しています。さらに、動植物や地質、鉱物、化石に関する資料も充実しており、自然の魅力を感じることができます。

収蔵コレクション

菅原コレクション

植物分類学者である菅原繁蔵の収集によるもので、樺太などから持ち帰った1万点以上の植物標本を含んでいます。

高川コレクション

北方貝類の専門家、高川金次が集めた貝類の研究基礎となる標本群です。

花光コレクション

教育文化界の功労者である花光春之助が収集した美術工芸品が展示されています。

能登川コレクション

在野の考古学者、能登川隆によって収集された続縄文時代の「恵山貝塚」からの出土資料が含まれます。

五稜郭分館

五稜郭公園内に位置していた五稜郭分館は、1955年に開館し、主に箱館戦争に関連する資料を展示していました。しかし、2007年に箱館奉行所の復元工事に伴い閉館し、その際の資料は本館に移されました。当初は、1954年に函館公園や五稜郭公園で開催された北海道大博覧会の際に「観光館・お菓子デパート」として使用された建物が転用されていました。

新しい構想

2022年、函館市は、市立函館博物館及びその関連施設を集約した「函館市総合ミュージアム（仮称）」の構想を発表しました。この取り組みは、収蔵品の適切な管理と展示を目的としており、各施設の資料を効果的に活用する計画です。具体的には、市立函館博物館の本館は収蔵庫として使用される一方で、他の資料館においてもそれぞれの展示機能を見直し、地域の文化と歴史をさらに広めていくことを目指しています。

市立函館博物館は、多様な収蔵品と共に函館の歴史や文化を伝え続けており、今後もその役割を果たしながら地域の発展に寄与していくことが期待されています。

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