市谷薬王寺町

市谷薬王寺町（いちがややくおうじまち）

概要

市谷薬王寺町は、東京都新宿区の中東部に位置する単独町名で、「丁目」は設定されていません。2023年11月6日に住居表示が実施されました。町域の中央を外苑東通りが南北に貫き、沿道には高層ビルや商店が見られますが、一歩奥に入ると閑静な住宅街が広がります。また、歴史ある寺院も点在しています。

地理

位置

新宿区の中東部に位置し、以下の町と隣接しています。
北部: 市谷柳町
東部: 市谷加賀町
南部: 市谷仲之町、市谷本村町
西部: 河田町
北西部: 原町

特徴

町域の中央を外苑東通りが縦断しており、この通り沿いには高層建築物や商店が並んでいます。しかし、通りから離れると住宅地が広がり、寺院も散見されます。都心に近いながらも落ち着いた雰囲気が特徴です。

歴史

前史

市谷村の一部であり、元々は旗本萩原氏の屋敷地でした。元禄14年（1701年）に薬王寺に給付され、門前町が形成されました。

町の成立

正徳3年（1713年）に町奉行の支配下となり、「市谷薬王寺前町」と称されました。現在の62～69番地周辺がこの区域にあたります。明治5年には、薬王寺に加え、周辺の寺院（蓮秀寺、長厳寺、浄栄寺、林松寺、妙典寺、長昌寺）、市谷南寺町、旗本屋敷、御先手組大縄地、東円寺墓所が編入されました。明治44年（1911年）に「前」の字が取られ、現在の「市谷薬王寺町」となりました。

その他

かつて陸軍大将の児玉源太郎の邸宅（35番地）がありました。

地名の由来

町名は、外苑東通り沿いの30番地と33番地にあった薬王寺という寺院に由来します。しかし、薬王寺は明治維新の際に廃寺となり、その法灯は文京区大塚の護国寺に移されました。現在、市谷薬王寺町には薬王寺は存在しません。

人口と世帯数

現状

2023年1月1日現在、東京都の発表によると、市谷薬王寺町の世帯数は2,107世帯、人口は3,279人です。

変遷

国勢調査による人口と世帯数の推移は、別途資料をご参照ください。

学区

小学校・中学校

市谷薬王寺町の全域が以下の学区に属します（2018年8月時点）。
小学校: 新宿区立牛込仲之小学校
中学校: 新宿区立牛込第一中学校

交通

鉄道

町域内には鉄道駅はありませんが、以下の駅が利用可能です。
南部: 都営新宿線 曙橋駅
北部: 都営大江戸線 牛込柳町駅

事業所

現状

2021年経済センサス調査によると、市谷薬王寺町には83の事業所があり、従業員数は368人です。

変遷

経済センサスによる事業所数と従業員数の推移は、別途資料をご参照ください。

史跡

寺院

長昌寺（泰国山）（12番）：曹洞宗の寺院。
蓮秀寺（久栄山）（22番）：日蓮宗の寺院。
浄栄寺（覚雲山）（27番）：浄土真宗の寺院。
長巌寺（25番）：真宗大谷派の寺院。

銀杏坂

市谷加賀町2丁目から薬王寺商店街へ下る坂で、かつて坂の北側にあった久貝因幡守邸内の銀杏稲荷に由来します。

催事

商交まつり

ワゴンセール、大道芸、ビンゴゲームなどが開催されます。

出身・ゆかりのある人物

山田喜之助：弁護士、政治家（衆議院議員）。東京代言人組合会長、司法次官を歴任。市谷薬王寺前町に居住。
児玉源太郎：陸軍大将。かつて邸宅があり、日比谷焼討事件の際には襲撃されました。「児玉坂通り」にその名を残します。

その他

郵便番号

162-0063（集配局：牛込郵便局）

脚注

注釈

（注釈は省略）

出典

『東京都住居表示に関する資料』
『新宿区史』
東京都新宿区教育委員会編『新宿区町名誌』東京都新宿区教育委員会、1976年。

外部リンク

新宿区
薬王寺商交会（新宿区商店会連合会）
サンバを踊ろう！「薬王寺・柳町七夕まつり」（新宿区）
市谷薬王寺町 遺跡一覧
浄栄寺
* 薬王寺町町会公式Facebook

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