市貝町

栃木県芳賀郡市貝町：自然と歴史が織りなす魅力的な町

市貝町は、栃木県南東部、芳賀郡に位置する町です。周囲は山々に囲まれ、小貝川が流れ、豊かな自然に恵まれた環境にあります。古くからの歴史と文化を受け継ぎながら、現代的な発展も遂げている、魅力あふれる地域です。

町の成り立ちと地理

市貝町は、かつての市羽村と小貝村が合併して誕生しました。町名は、それぞれの旧村名から一文字ずつを取って命名された合成地名です。町内には、御岳山（伊許山）、観音山、だんご山などの山々が点在し、小貝川が町の南部を流れています。隣接する市町村は、真岡市、那須烏山市、益子町、茂木町、芳賀町、高根沢町などです。令和元年の国勢調査によると、通勤率は宇都宮市が20.9％、真岡市が11.4％、芳賀町が10.8％となっています。

歴史と文化

市貝町の歴史は古く、数々の出来事が町を形作ってきました。

1920年（大正9年）12月15日: 真岡軽便線（現在の真岡線）七井駅 - 茂木駅間が開業し、町の交通網が整備され始めました。
1954年（昭和29年）5月3日: 市羽村と小貝村が合併し、芳賀郡市貝村が発足しました。
1963年（昭和38年）4月1日: 国道123号が制定され、町の交通の要衝としての役割が強化されました。
1972年（昭和47年）1月1日: 町制施行により、市貝町となりました。
* 2011年（平成23年）3月11日: 東北地方太平洋沖地震で震度6強を観測。町は大きな被害を受けましたが、住民の協力により復旧が進められました。

歴史的な建造物や資料館も点在しており、町の歴史を深く知ることができます。武者絵資料館では、江戸時代から現代までの武者絵のぼりをはじめ、絵皿、壺、屏風など貴重な資料が展示されています。市貝町立図書館には歴史民俗資料館が併設されており、町の文化に触れることができます。

産業と観光

市貝町には、花王栃木工場・栃木研究所があり、紙おむつ「メリーズ」や生理用品「ロリエ」などの生産拠点となっています。また、惣誉酒造など、伝統的な産業も盛んです。

観光スポットとしては、真岡鐵道SLもおかが停車する市塙駅と多田羅駅が有名です。春には、芝ざくら公園で「芝ざくら祭り」が開催され、多くの観光客が訪れます。公園に隣接する芳那の水晶湖も、美しい景観で知られています。近年注目されているのは、サシバの繁殖地です。町北部では、絶滅危惧種の渡り鳥サシバの日本有数の飛来地となっており、保全活動と町おこしにも力を入れています。2014年には「道の駅サシバの里いちかい」が開設されました。多田羅沼は灌漑用として造成された人造湖ですが、貴重な湿生植物の宝庫でもあります。

行政と生活

町の行政は、町長を首長とする町役場が担っています。消防は芳賀地区広域行政事務組合消防本部市貝分署、警察は栃木県警察茂木警察署続谷駐在所、市塙駐在所、赤羽駐在所が管轄しています。教育機関としては、市貝町立市貝中学校、市貝町立赤羽小学校、市貝町立市貝小学校、市貝町立小貝小学校があり、子どもたちの教育を支えています。郵便番号は「321-34xx」、市外局番は「0285」です。交通は、真岡鐵道真岡線、JRバス関東、那須烏山市営バスなどが運行しています。国道123号、国道294号、その他主要地方道や一般県道も整備されています。

著名な出身者

市貝町からは、ボクシング選手の上野則之氏、作家の大貫宏志氏、女優・プロトラベラーの羽石杏奈氏、下野新聞社長・栃木県会議員を務めた藤平謹一郎氏など、多くの著名な方が輩出されています。

市貝町は、歴史と自然、そして産業が調和した、魅力あふれる町です。今後ますますの発展が期待されます。

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