市駅 (広島県)

市駅（いちえき）

市駅は、かつて広島県御調郡御調町（現在の尾道市）市に位置していた、尾道鉄道の駅でした。1957年に尾道鉄道の廃止に伴い、その歴史に幕を閉じました。

概要

市駅は相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、留置線が1本設けられていました。木造の駅舎があり、当時の面影を伝えていました。市地区は山陽道沿いの宿場町として栄えましたが、駅はその中心部から少し離れた場所に位置していました。

尾道鉄道は、市駅からさらに府中市上下町や三次市方面への路線延長を計画し、陰陽連絡路線としての役割を担うことを目指していました。しかし、その計画は実現することなく、尾道鉄道は廃止されました。その代替として、市駅からはバスが発着し、上下、三次、府中方面への連絡手段となっていました。

歴史

1926年（大正15年）4月28日：石畦駅 - 市駅間の開通に伴い開業。
1957年（昭和32年）2月1日：石畦駅 - 市駅間の廃止に伴い、廃駅。

駅周辺の現状

尾道鉄道の廃止後、市駅の跡地は中国バス市出張所および中国交通みつぎ営業所として利用されています。かつての駅の賑わいは失われましたが、バスの発着拠点として地域の交通を支えています。

隣の駅

尾道鉄道線

諸原駅 - 市駅

参考文献

前田六二（編）『消えた鉄路尾道鉄道』前田六二、1992年2月29日。
尾道学研究会『タイムスリップ・レール…オノテツ』（初版）尾道学研究会、2011年3月31日。

関連項目

日本の[[鉄道駅一覧]]

市駅は、尾道鉄道の歴史を語る上で欠かせない駅の一つでした。短い期間ではありましたが、地域の足として、また陰陽連絡路線としての夢を抱き、人々の生活を支えていました。廃線後も、その跡地はバスの発着拠点として利用され、交通の要所としての役割を担い続けています。

もう一度検索