布引五本松ダム

布引五本松ダムについて

布引五本松ダム（ぬのびきごほんまつダム）は、兵庫県神戸市中央区に位置する生田川にかかるダムであり、日本で初めての本格的な重力式コンクリートダムとして重要な地位を占めています。1887年に水道計画が始まり、1900年に完成、その後も重要な水源として現在も機能し続けています。2006年には、近代の水道遺産の一部として国の重要文化財に指定されました。

概要

このダムは、六甲山地の麓、布引渓流に位置し、名水100選の一つとされる布引の滝の上流を堰き止めて布引貯水池を形成しています。この貯水池はダム湖100選にも選ばれ、今も神戸市の水道供給の一助となっています。布引五本松ダムはそのコンクリート構造に加え、型枠に用いられた石積が外壁に残されているため、伝統的なヨーロッパの城壁を彷彿とさせる美しい外観を持っています。また、古典様式の装飾が施されたデザインも特徴的です。

ダムはその壮麗な外観に加え、周囲の自然環境とも調和しており、特に夜にはライトアップされ、北野町や布引ハーブ園を結ぶロープウェイからもその美しい姿を楽しむことができます。

歴史

布引五本松ダムの歴史は、1887年の神戸市の近代水道計画の策定にまで遡ります。1892年には英国人のウィリアム・バートンの提案があり、その後1898年に吉村長策と佐野藤次郎の指導のもと工事が始まりました。完成は1900年で、市の水道施設として今も機能しています。近年では、2005年に堤体の耐震補強工事や土砂浚渫工事が行われ、時代の変化に対応した維持管理が続けられています。

文化財としての価値

2006年には「布引水源地水道施設」として国の重要文化財に指定され、ダムだけでなく、関連する分水施設や橋梁、隧道などが評価されています。この指定には11の構成要素が含まれており、その地域における近代水道の重要性を物語っています。

交通アクセス

布引五本松ダムへは、神戸布引ロープウェイの風の丘中間駅から徒歩約10分、山陽新幹線の新神戸駅からは徒歩30分、また神戸市営地下鉄の新神戸駅からも徒歩35分の距離に位置しており、アクセスも良好です。

周辺情報

ダムの周辺には、布引の滝や徳光院、布引ハーブ園など、観光スポットが点在しています。また、北野町山本通も訪れる価値のある場所です。自然と歴史、文化が融合したこの地域は、訪れる人々にとって魅力的な場所となっています。

このように、布引五本松ダムは単なる水源に留まらず、歴史的、文化的価値を併せ持つ、神戸市の象徴的な存在であり続けています。

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