帯広郵便局

北海道帯広市西三条南8丁目10番地に所在する帯広郵便局は、道東地域の中核的な郵便事業拠点の一つです。かつては集配業務を行う普通郵便局として位置づけられていましたが、現在は郵便、貯金、保険といった郵政三事業の窓口が同一施設内に集約されている、全国でも数少ない特徴を持つ郵便局の一つです。特に、郵便番号の上2桁が「08」となる、北海道の十勝、釧路、根室の各振興局管内の大部分を管轄する郵便物の地域区分局としての重要な統括機能を担っており、広大な道東エリアの郵便ネットワークにおいて中心的な役割を果たしています。局番号は91003です。

帯広郵便局の建物内には、日本郵便株式会社の窓口機能に加え、ゆうちょ銀行帯広店、そして日本郵政株式会社の医務施設である北海道郵政健康管理センター帯広分室が設置されています。ゆうちょ銀行帯広店（取扱店番号910030）は、貯金、貸付、為替、振替、振込、国際送金、外貨両替、国債、投資信託、変額年金保険といった幅広い金融サービスを提供しており、十勝、上川、留萌、宗谷の各総合振興局管内全域をサービスエリアとしています。また、帯広手形交換所にも加盟しています。日本郵政北海道郵政健康管理センター帯広分室は、主に担当地域（十勝、釧路、根室振興局管内全域）の郵政グループ社員に対する健康診断など、労働安全衛生法に基づく産業医業務を行っています。

この郵便局の歴史は古く、明治25年（1892年）11月1日に十勝国河西郡帯広村に三等郵便局として誕生しました。開設後間もなく、明治29年（1896年）3月1日には為替・貯金業務の取り扱いを開始し、地域住民の生活に不可欠なサービスを提供し始めました。明治30年（1897年）10月11日には帯広郵便電信局に改称され、電信業務も行うようになりますが、明治36年（1903年）4月1日の通信官署官制施行に伴い、再び帯広郵便局の名称に戻されました。その後、業務量の増加や地域の発展に伴い、大正10年（1921年）2月6日には二等郵便局に、そして昭和14年（1939年）11月2日には一等郵便局へと等級が引き上げられ、道東における郵便事業の中核拠点としての地位を確立していきました。

昭和34年（1959年）5月1日には、電話通話および和文電報の受付事務を開始し、通信インフラの要としての機能も拡充されました。局舎については、昭和37年（1962年）12月3日に、手狭になった西二条南八丁目の旧局舎から、現在の西三条南八丁目に新築された建物へ移転しました。その後、昭和50年（1975年）7月に現局舎が落成しています。平成3年（1991年）10月1日には、時代の変化に対応し、外国通貨の両替や旅行小切手の売買といった国際的な金融関連業務の取り扱いも開始しました。

平成19年（2007年）10月1日の郵政民営化に伴い、帯広郵便局の業務は分割され、併設された郵便事業帯広支店、ゆうちょ銀行帯広店、かんぽ生命保険帯広支店にそれぞれ移管されました。しかし、その後の組織再編を経て、平成24年（2012年）10月1日に日本郵便株式会社が発足した際に、郵便事業帯広支店は帯広郵便局に統合される形となりました。また、民営化後の郵便事業の再編では、平成22年（2010年）にゆうパック業務の大半が郵便事業帯広ターミナル支店に移管された時期がありましたが、このターミナル支店は平成23年（2011年）8月28日に廃止され、その業務は旧帯広支店に再び統合されました。ターミナル支店跡地には平成24年（2012年）2月13日に郵便事業帯広支店分室が設置され、日本郵便発足後は帯広郵便局分室となりました。この分室は、本局が郵便物の地域区分を、分室がゆうパックの地域区分や区分業務を担当するという分担体制をとっていましたが、業務集約のため、平成31年（2019年）3月17日付で廃止されています。かんぽ生命保険帯広支店については、平成26年（2014年）7月22日に局舎から別のビルへ移転しています。

現在、帯広郵便局で取り扱っている業務は多岐にわたります。郵便窓口では、郵便物の差し出し、切手や印紙の販売、ゆうパック、内容証明の受付など基本的な郵便サービスの他、店頭でのグッズ販売や広告スペース提供も行っています。また、生命保険、バイク自賠責保険、自動車保険、がん保険といった各種保険商品も取り扱っています。前述の通り、郵便番号「08」で始まる地域（十勝、釧路、根室のほぼ全域）あての郵便物を配達局ごとに分類する地域区分局としての役割は引き続き担われています。さらに、帯広市内の一部地域における郵便物の集配業務も行っており、ゆうゆう窓口も設置されているため、時間外でも一部サービスを利用可能です。ただし、帯広市内の集配エリアは、西部を西帯広郵便局、南部を大正郵便局がそれぞれ担当しており、全域を管轄しているわけではありません。

帯広郵便局は、JR根室本線の帯広駅から徒歩約10分という、市の中心部に位置しており、アクセスに便利です。周辺には帯広市役所、藤丸百貨店、帯広中央公園といった主要な公共施設や商業施設が点在しています。最寄りのバス停は「郵便局前」で、十勝バスが利用できます。自動車でのアクセスも良好で、道東自動車道の音更帯広インターチェンジから南へ約8km、帯広広尾自動車道の芽室帯広インターチェンジから東へ、あるいは帯広川西インターチェンジから北へそれぞれ約8kmの距離にあります。利用者向け駐車場も8台分用意されています。

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