常磐井堯猷

常磐井堯猷（ときわい ぎょうゆう）は、明治5年3月15日（1872年4月22日）に生まれ、昭和26年（1951年）1月27日に没した、明治から昭和期にかけての僧侶、梵語学者であり、真宗高田派の管長を務めた人物です。

経歴

公家である近衛忠房の三男として誕生しました。幼少期に小学校を終えた後、ドイツへ留学し、シュトラスブルク大学においてマックス・ミュラー博士に17年間師事し、哲学と梵文学を深く学びました。留学期間中には、イギリスをはじめとするヨーロッパ各国を訪れ、見識を広めました。

帰国後は、京都帝國大学文学部教授に就任し、梵語の教鞭を執りました。大正2年（1913年）には、養父であり叔父でもある常磐井堯熙の後を継ぎ、真宗高田派の管長となりました。その6年後には、男爵を襲爵しています。

また、帝国東洋学会の創設者の一人でもあり、生涯にわたり梵文学の研究に情熱を注ぎました。その研究の集大成として、「梵語辞典」（全11巻）を刊行しました。この辞典は、梵語研究における重要な業績として高く評価されています。

系譜

父：近衛忠房
養父：常磐井堯熙 (近衛忠房の弟)
母：島津光子 - 島津斉彬の養女、島津久長の娘
妻：文子（大谷光尊の娘）
長女：教子（沢宣一の妻）
長男：堯祺
妻：鋀子（藤堂高潔・蜂須賀量子の娘）
妻：貞子（久世広業の娘）
妾：金丸まき
庶子：礼子
庶子：祗子
庶子：鸞猷

常磐井堯猷は、日本の仏教研究、特に梵文学の分野において、多大な貢献を果たした人物として、その名が記憶されています。

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