常葉隆興

常葉 隆興 (ときわ たかおき) の生涯

常葉隆興は1897年に山形県で育ち、士族の家庭に生まれました。父親は上山小学校の校長であり、教育や信仰の影響を受けて成長しました。彼の人生は、早くから様々な苦難に直面しながらも、信仰を深める出来事で彩られました。

幼少期と教育

1915年、大正4年に沖縄県立第一中学校を卒業した彼は、その後東京高等工業学校へ進学。しかし、彼の人生は1918年、大正7年に父の死によって大きく変わります。叔父からキリスト教の信仰に導かれ、同年には日本基督教会で洗礼を受けます。彼の信仰の基礎はここから始まりました。

1920年には、植村正久牧師が設立した東京神学社に入学し、東京における神学教育を受けます。1923年の卒業後には、牧師としての道を歩むことを決意します。結婚相手も同時期に出会い、牧師夫人となる常葉モトさんとの間には二男二女が授かりました。1925年には、正式に牧師として按手礼を受けてから、信仰と教会活動に献身的に取り組んでいきます。

日本基督教会時代

1935年にはウェストミンスター神学校に留学し、ジョン・グレッサム・メイチェンのもとで学び、改革派信仰の核心を確信しました。この留学経験は、後の彼の神学的立場を形成する重要な要素となります。

1942年には、東京に日本基督教団森元町教会を設立。これは後の日本キリスト改革派教会の基盤となります。戦後の1946年、日本キリスト改革派教会の創立大会を開き、日本基督教団から独立します。この決断は、彼の福音的な信念に基づいており、同年の教団結成式において行われた宮城遥拝を「偶像礼拝」として告白しました。このようにして、彼は新しい流れを生み出すキーパーソンとして活動を始めます。

改革派時代

1951年、森元町教会を東京恩寵教会に改称。それから約10年後の1961年には新改訳聖書刊行協力会の代表、さらに会長に就任し、新約聖書の翻訳事業に取り組むことになります。これにより、彼は日本における聖書の普及に大きく貢献しました。

彼は1967年に70歳で東京恩寵教会の牧師を引退し、1977年には80歳でこの世を去りました。彼の人生は、多くの人々に信仰と希望をもたらした影響力のある存在だったと言えます。

著書

また、常葉隆興は数冊の著書も残しており、その中には『新約聖書要解』や『聖書辞典』が含まれています。これらの作品を通じて、聖書の理解を深める手助けをし、多くの信者の指針となりました。彼の教えや著作は、今でも多くの人々によって読み継がれています。

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