日本基督教会

日本基督教会の歴史と信条

概要

日本基督教会は、かつて存在した長老派教会で、日本基督教団の第一部として最大の教派でした。しかし、教団の部制が解消されると同時に崩壊を迎えました。初期の指導者には植村正久や井深梶之助が名を連ね、最終指導者は富田満でした。

設立の経緯

日本基督教会は、明治5年（1872年）に設立された日本基督公会を起源としており、明治10年（1877年）にはハイデルベルク信仰問答などを信仰告白とする日本基督一致教会が成立しました。さらに、明治23年（1890年）には、3つの中会が大会を開き、教会憲法を改正しながら日本基督教会と改称しました。この過程で、長老教会の伝統から離れ、信仰告白を採用せず、長老や執事は終身としない制度が設けられました。

教会の成長も著しく、1890年には72の教会と1万495人の教会員を抱え、1912年には教会数が190、教会員も1万8460人に達しました。大正期には、柏井園や高倉徳太郎などの指導者が活躍しました。

重要な事件

『日本の花嫁』事件

1892年には、日本基督教会の田村直臣牧師が『日本の花嫁』を著し、仏教とキリスト教の影響下の家庭を比較しました。この書籍は大きな物議を醸し、1894年の大会で田村は「同胞讒誣罪」で譴責され、牧師の職を免職される結果となりました。これにより、教会内での信条の重要性が浮き彫りになりました。

独立議論

日露戦争中の明治37年（1904年）から明治38年において、日本基督教会はミッションからの独立についての議論が浮かび上がりました。1906年の第20回大会で「協力ミッション法」を決議し、ミッションとの関係確立に向けた合意が得られましたが、未承認のミッションもあり、強調点が変化しました。

沖縄伝道と神社参拝

1912年には沖縄で特別伝道が決議され、1913年から具体的な活動が始まりました。参加者も増え、最終的に1923年には那覇日本基督教会が設立されるなど、宗教活動が進展しました。

一方で、大正6年の第31回大会では、神社参拝に関して議論が行われ、信教の自由を尊重する立場が明確にされました。これにより、他宗派との関係性も見直され、葬儀での弔意の表し方が規定されました。

戦後とその後の変遷

1941年に日本基督教団が成立し、部制廃止が決定すると、日本基督教会からは多くの派が分裂しました。戦後も、聖書信仰の日本キリスト改革派教会や準正統主義の日本キリスト教会などの新たな教派が成立し、現在に至ります。

このように、日本基督教会は設立から廃止までの間に多くの変遷を遂げ、さまざまな社会的影響を受けながら発展してきました。その歴史は、キリスト教が日本社会に与えた影響や、内外のさまざまな文化や伝統とどのように関わってきたのかを理解する手助けとなります。

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