幕屋

幕屋（まくや）とは



幕屋という言葉には、いくつかの意味があります。

1. 一般的な意味での幕屋：
- 幕を張り、部屋や小屋のようにした場所の一般的な名称。
- 能楽を演じる際に使用される楽屋。
2. 聖書における幕屋：
- 聖書に登場する移動式の神殿であり、この記事ではこちらについて詳しく解説します。


聖書における幕屋



聖書における幕屋（英語: Tabernacle、ヘブライ語: מִשְׁכַּן, mishkan）は、会見の天幕とも呼ばれる移動式の神殿です。旧約聖書の「出エジプト記」に詳細が記述されています。ただし、過去の聖書翻訳では、幕屋（ミシュカーン）と天幕（オーヘル）の区別が曖昧な場合が多く、翻訳によって表記が異なることがあります。


幕屋の作成


幕屋は、モーセが神から受けた指示に基づいて、ベツァレルによって作成されました。その作成に関する指示は、出エジプト記の25章から30章に記されています。


- 契約の箱は、幕屋の中心となる聖なる箱で、中には十戒が刻まれた石板が納められています。また、祭壇や燭台などの備品の作成についても詳細な指示が与えられました。
  • - 幕屋本体と垂幕 (26章)：
- 幕屋は、聖所と至聖所の二つに分かれています。至聖所は、契約の箱が置かれる最も神聖な場所です。これらの空間を区切る垂幕についても、具体的な指示がなされました。
  • - 祭壇と中庭 (27章)：
- 犠牲を捧げるための祭壇や、幕屋の周囲に設けられた中庭の構造についても指示が与えられました。
  • - 祭司の職服 (28章)：
- 祭司が着用する職服のデザインや素材について詳細な指示が記されています。
  • - 香を焚く祭壇 (30章)：
- 香を焚くための祭壇の作成指示が示されています。


幕屋の役割と移動


幕屋は、移動時には祭司であるアロンの家系が解体し、レビ族が運搬の任に当たりました。ヘブライ語のミシュカーンは「住居」という意味で、神が住まう場所として非常に重要視されました。ソロモン王が神殿を建設するまでの間、幕屋は神の臨在を象徴する場所として、重要な役割を果たしました。


幕屋の意義


幕屋は、単なる建造物ではなく、神と人々との出会いの場であり、神の臨在を象徴するものでした。その構造や儀式は、神の聖さや恵みを表しており、後の神殿の原型となりました。


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