幕末尽忠報国烈士伝 -MIBURO-

幕末尽忠報国烈士伝MIBURO：女性化した新撰組と、隠された真実の物語

『幕末尽忠報国烈士伝MIBURO』は、2017年にinreより発売された、幕末を舞台にした大人向けゲームです。本作最大の特徴は、近藤勇や土方歳三を始めとする新撰組隊士の多くが女性として描かれている点でしょう。一方で、久坂玄瑞や勝海舟といった歴史上の人物は男性の姿で登場するなど、史実とフィクションが絶妙に融合した世界観が展開されています。

物語の舞台：動乱の幕末

物語は、日米修好通商条約締結や安政の大獄、桜田門外の変といった激動の幕末期を背景に展開します。尊王攘夷の志士や不逞浪士が京に集まり、治安は悪化の一途を辿っていました。この状況を受け、幕府は京都守護職を設置。会[[津藩]]主・松平容保がその職務に就きます。

密かに倒幕を企む庄内藩出身の志士・清河八郎は、浪士組を結成し上洛。しかし、京で尊王攘夷派に寝返ることを宣言し、江戸へ戻ることを主張します。この決定に反発し、京に残ったのが芹沢鴨率いる一派と、近藤勇率いる試衛館一派でした。浪士組の一員で、近藤と親交のあった佐々木只三郎の計略により、彼らは会[[津藩]]の保護下に置かれ、「壬生浪士組」として京の治安維持に当たることになります。

主人公：見田健と「玉の力」

主人公・見田健は、徳山藩の下級武士の出身。藩内の政争により家族を失い、妹の鞘と共に京へ逃れてきます。不逞浪士に襲われた際に、不思議な力「玉の力」を発現させ、敵の弱点を見抜いて危機を脱します。この力を認めた土方歳三に救われ、壬生浪士組に加わることになります。

健は隊士たちから剣術を学び、次第に実力を上げていきます。しかし、芹沢鴨暗殺事件に巻き込まれ、妹を亡くしたショックから記憶を失い、冷酷な一面を見せるようになります。その後、土方の側近として活躍する中で、謎の文を受け取るなど、数々の事件に遭遇し、幕末の動乱の中心に身を投じていきます。

主要登場人物：女性化した新撰組隊士たち

本作では、近藤勇、土方歳三、沖田総司、斎藤一といった新撰組の主要メンバーは、魅力的な女性として描かれています。それぞれが個性的な性格と高い戦闘能力を持ち、物語を彩ります。

近藤勇（局長）：お嬢様言葉を話す、武士道を重んじる女性。土方とは終生の友であり、新撰組を率いて数々の活躍をします。

土方歳三（副長）：近藤を深く敬愛し、新撰組の維持発展に尽力する。冷徹で戦略的な人物であり、健を新撰組に導いたキーパーソンでもあります。

沖田総司（一番隊隊長）：若くして優れた剣客として知られるが、病に苦しむ一面も。斎藤とは親しい友人関係にあります。

斎藤一（三番隊隊長）：抜刀術の達人。冷徹な性格で、任務遂行に忠実です。会[[津藩]]とは深い関わりを持ち、明治以降も活躍します。

永倉新八（二番隊隊長）：奔放な性格で、恋に積極的。原田とは特に親しい。近藤との意見対立から新撰組を脱退します。

山南敬助（総長）：優秀な頭脳と剣の腕前を持つ。伊東甲子太郎の策略に巻き込まれ、切腹します。

藤堂平助（八番隊隊長）：近藤に救われた過去を持ち、健を厳しくも温かく見守る。伊東甲子太郎に付いて御陵衛士に加わります。

原田左之助（十番隊隊長）：荒っぽい性格だが、義に厚い。永倉と共に新撰組を脱退し、戊辰戦争で戦います。

これらの女性隊士たちは、それぞれの信念と葛藤を抱えながら、激動の時代を生き抜いていきます。

その他の歴史上の人物

本作には、新撰組以外にも、坂本龍馬、勝海舟、大久保一蔵、中村半次郎、久坂玄瑞といった、数多くの歴史上の人物が登場します。彼らは史実とは異なる側面も持ちつつ、物語に深みを与えています。

多彩なルートとエンディング

本作には複数のルートが存在し、プレイヤーの選択によって物語の展開やエンディングが変化します。それぞれのルートでは、異なる視点から幕末の動乱と、新撰組の女性隊士たちの生き様を体験することができます。

魅力的なキャラクターデザインと音楽

魅力的なキャラクターデザインと、Faylanや三代眞子といった実力派歌手による主題歌も本作の魅力を高めています。

『幕末尽忠報国烈士伝MIBURO』は、歴史を題材としながらも、独自の解釈と魅力的なキャラクターで彩られた、他に類を見ない作品です。女性化した新撰組隊士たちの活躍と、幕末の動乱を、ぜひご自身の目で確かめてみてください。

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