平井城

平井城の歴史

平井城は、群馬県藤岡市に所在した日本の城で、現在は群馬県の史跡に指定されています。その歴史は15世紀に遡り、永享10年（1438年）に鎌倉公方足利持氏と関東管領上杉憲実の対立が激化した際、身の危険を感じた上杉憲実がこの地に逃れたことが始まりとされています。一般的には、この時、憲実が家臣である長尾忠房に命じて築城させたと言われています。この後、持氏と憲実、そして幕府連合軍の間で永享の乱が勃発しましたが、最終的には憲実側が勝利を収めました。

その後、文正元年（1466年）には、関東管領となった上杉顕定によって城が拡張されたとされています。平井城は、古くから関東管領であった山内上杉氏の拠点として知られていますが、実際には永正9年（1512年）の永正の乱、または大永年間（1520年代）以降の、16世紀前半の比較的短い期間のみ拠点として使用されていたと考えられています。

天文21年（1552年）には、北条氏康の攻撃によって落城し、当時の城主であった関東管領上杉憲政は越後国の長尾景虎（後の上杉謙信）のもとへ逃れることとなりました。この背景には、既に周辺の上野国人勢力や憲政の家臣たちが北条氏に寝返っていたという事実がありました。永禄3年（1560年）には長尾景虎によって奪還されましたが、景虎が関東における拠点を厩橋城（後の前橋城）に移したため、平井城は廃城となりました。この際、奪回後に再び上杉氏の拠点となることを恐れた北条氏が、落城前に城郭を破壊したのではないかという指摘もあります。

平井城の構造

平井城は、平地部分に本丸などの主要な城郭が設けられ、背後の山には詰城としての役割を持つ金山城（平井金山城）が築かれていました。この広大な城郭は、平地と山地を組み合わせた複合的な構造を持っていたと考えられます。

金山城（平井金山城）について

平井城の背後、標高331メートルの山頂に位置する金山城は、平井金山城とも呼ばれ、群馬県指定の史跡となっています。この城は、同じ群馬県太田市にある金山城と区別するために「平井」という地名が冠されています。発掘調査の結果、石積みが発見されていますが、裏込めがないため石垣ではないとされています。史料にはあまり登場しませんが、山内上杉氏にとって重要な拠点であったと推測されています。

周辺情報

平井城の周辺には、金山城が存在します。この二つの城は、互いに補完し合う形で機能していたと考えられます。

交通アクセス

平井城跡へのアクセスは、以下の通りです。

上信越自動車道 藤岡ICから車で約15分
JR八高線 群馬藤岡駅からバスで約20分（「矢島商店前」下車、徒歩3分）
JR高崎線 新町駅から車で約25分

関連項目

日本の城一覧
* 群馬県指定文化財一覧#史跡

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