平和自動車

平和自動車について

平和自動車（ピョンファじどうしゃ）は、韓国の金剛山国際グループに属する自動車メーカーで、主に北朝鮮において事業を展開しています。この企業は1998年に北朝鮮に設立した合弁会社「平和自動車総会社」に基づいており、その資本比率は70対30です。この会社は、統一教会と深い関係を持ち、当時の社長は教会の幹部であった朴相権（パク・サングオン）でした。

事業の展開

平和自動車は2002年4月以降、北朝鮮の南浦特別市にある工業団地でイタリアのフィアット社から供給された小型セダン「シエナ」を基にした車両「フィパラム」を組み立てています。これらの車両は北朝鮮国内で販売され、他にも「ポックギ」（カッコウの意）というミニバンやSUV、ピックアップトラックなど多様なモデルを生産しています。特に「フィパラム」は北朝鮮の自動車市場において重要な存在となっています。

かつての合弁事業

平和自動車は以前、ベトナムで双龍自動車やイタリアのフィアット、イヴェコと共同で設立された企業「メコン」において「コランド」を生産し販売するなど、国際的な自動車ビジネスの経験も有しています。しかし、2012年には統一グループが自動車事業からの撤退を決定し、その後は食品流通など他の事業への転進を図ることになりました。

現在の生産体制

統一教会との提携や合弁の解消後は、平和自動車は中国の自動車メーカーから部品を輸入し、ノックダウン生産を行っています。これにより、自動車の製造を続ける一方で、部品の90%を外部から調達する体制を整えています。同社は日本政府が管理する「外国ユーザーリスト」にも名を連ねており、そのリスト番号は395です。これにより、同社へは貨物や技術を輸出する際に特別な許可申請が必要となります。

車種一覧

平和自動車が提供する車両に関して、代表的なモデルには以下が挙げられます。

• - フィパラム（フィアット・シエナを基にしたモデル）
• - フィパラムII（華晨自動車・駿捷を基にしたモデル）
• - チュンマ（雙龍・チェアマンHを基にしたモデル）
• - ポックギ（フィアット・ドブロを基にしたモデル）
• - ポックギII/ポックギIII
• - ポックギ4WD
• - サムチョリ（海狮のライセンスモデル）

平和自動車は北朝鮮における自動車製造の代表的存在ですが、外部との連携や規制が事業運営に影響を与える要因となっています。

もう一度検索