平塚常次郎

平塚常次郎の生涯

平塚常次郎（ひらつか つねじろう、1881年11月9日 - 1974年4月4日）は、日本における北洋漁業の発展に大きく貢献した実業家であり、政治家でもあります。彼は第6代運輸大臣としても知られ、北海道選出の代議士として初めて入閣した重要な人物です。

早年の生涯

平塚は北海道函館に生まれ、歴史的には安土桃山時代の武将、平塚為広の末裔にあたります。彼は札幌露清語学校において、中野二郎の指導の下でロシア語を学びました。この時期に平塚は北洋漁業に対する関心を強め、将来的な漁場開発のためにカムチャツカ半島に渡ります。

漁業の道

1905年に結ばれたポーツマス条約によって、平塚はロシア領沿岸での漁業権を獲得しました。それにより、堤清六と共に新潟市に堤商会を設立し、ロシアの漁場での操業を開始しました。彼は、カムチャツカ沿岸に工場を設立し、サケやマスの缶詰製品を輸出することに成功しました。これが彼のビジネスの基盤を築くこととなりました。

日魯漁業とその成功

1921年には日魯漁業（現在のマルハニチロ）で常務に就任し、その後、同社や太平洋漁業、千島水産などで社長を歴任しました。彼のリーダーシップの下で、北洋漁業は急速に発展し、業界内での存在感を高めていきました。しかし、第二次世界大戦の敗北に伴い、日魯漁業は海外の資産をすべて失うことになりました。

政治家としての活動

戦後、彼は1946年の衆議院議員選挙で日本自由党から出馬し、初当選を果たします。その後、第1次吉田内閣で運輸大臣を務めましたが、1947年にはGHQによって公職追放処分を受けます。この追放は、彼の政治キャリアに一時的な影響を与えましたが、追放が解除された後、再び日魯漁業の社長に戻ることができました。

1955年には、第27回衆議院議員選挙において北海道の選挙区から日本民主党公認で立候補し、当選します。これにより、彼は政界に復帰し、再び重要な役割を果たすこととなりました。

国際的な交渉への関与

1958年には、大日本水産会会長に就任し、日ソ協会の副会長としてソビエト連邦との漁業交渉を行い、同時に日中漁業協会会長として中華人民共和国との漁業交渉にも取り組みました。彼の国際的な活動は、漁業分野における日本と他国との関係構築に寄与しました。

最晩年と墓所

平塚常次郎は、1974年に94歳でこの世を去りました。彼の墓所は多磨霊園にありましたが、その後、改葬されています。彼の功績はキーパーソンとしての実業家・政治家として、漁業業界における発展を支えた一人の歴史的人物として、今も多くの人々に記憶されています。

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