平成筑豊鉄道糸田線

糸田線について

糸田線（いとだせん）は、福岡県田川郡福智町に位置する金田駅から田川市の田川後藤寺駅を結ぶ、平成筑豊鉄道の鉄道路線です。この路線は、かつての国鉄（国有鉄道）糸田線を引き継いでいます。

路線の概要

• - 管轄: 平成筑豊鉄道 (第一種鉄道事業者)
• - 営業キロ: 6.8km
• - 駅数: 6駅（始終点を含む）
• - 軌間: 1,067mm
• - 道床: 全線バラスト軌道
• - 複線区間: なし（全線単線）
• - 電化区間: なし（全線非電化）
• - 閉塞方式: 特殊自動閉塞式（軌道回路検知式）
• - 最高速度: 85km/h
• - IC乗車カード対応区間: なし

運行は1時間に1～2本程度で、金田駅と田川後藤寺駅の間を往復する列車や、伊田線方面との直通運転も行われています。この路線では、ワンマン運転が実施されており、ほとんどの列車は単行（一両編成）で運行されています。

歴史的背景

糸田線は短距離路線でありながら、その歴史は決して短いものではありません。この路線は、かつて筑豊炭田からの石炭輸送のために建設された鉄道がルーツとなっています。

豊州鉄道と宮床線

最初の段階である、糸田 - 田川後藤寺間は、1897年に初代豊州鉄道の支線として開業しました。ここでは、貨物線が設けられ、宮床から豊国間が貨物運行を担っていました。そして1901年に九州鉄道に合併され、1907年には国有化され、宮床線として整備されました。

金宮鉄道

一方金田 - 糸田間は金宮鉄道によって1927年に開通。その後、九州産業鉄道へ譲渡され、1943年には産業セメント鉄道により糸田線に改称されます。これにより、金田 - 糸田 - 後藤寺間が一つの線として機能するようになりました。

市場の変化と路線の存続

戦後、筑豊炭田が衰退するにつれて輸送量は下降しましたが、この路線は当初より重要な位置を占めていたため、すぐに不要不急の路線に指定されることはありませんでした。1987年、国鉄再建法の施行に伴って第三次特定地方交通線に指定され、同年にJR九州へ承継され、1989年に平成筑豊鉄道として新たな運営が始まりました。

現代の運営

現在では、松山駅、糸田駅、大藪駅など複数の駅が存在し、運賃計算ではこれらの駅と田川線の駅との間で交わる路線として運用されています。特に、田川後藤寺から田川伊田に乗車する者は、別途運賃を支払う必要があります。

また、2019年に駅ナンバリングが導入され、地域内での利便性が向上しました。

駅一覧

糸田線上には、以下の駅が存在します:

• - 金田駅
• - 糸田駅
• - 大藪駅
• - 田川後藤寺駅
• - 松山駅

全線は単線であり、途中に列車交換施設は設けられていないため、利用者は注意が必要です。

まとめ

糸田線は、その歴史的な背景と独特な運営形態から、地域に密着した鉄道として存在し続けています。近年は鉄道利用者の利便性向上に努めており、地元の人々や観光客に重宝される存在です。

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