平成24年の大雪

2011年末から2012年春にかけての日本における豪雪災害

2011年（平成23年）末から2012年（平成24年）3月にかけて、日本各地で記録的な豪雪が発生しました。この豪雪は、特に北海道、東北、信越、近畿地方の日本海側で顕著で、「北海道豪雪」や「2012年豪雪」などと呼ばれていますが、公式な名称は存在しません。

概要

この豪雪災害は、日本海側を中心に、各地で観測史上まれに見る記録的な積雪をもたらしました。2012年1月には、気象庁が積雪を観測している全国330地点のうち、7地点で年最深積雪の記録を更新。特に北海道の岩見沢市では、積雪深が100年再現期待値を超える事態となりました。また、新篠津村でも100年再現期待値に近い積雪状況が約1ヶ月半も続きました。

偏西風の蛇行とゲリラ豪雪

2月1日には、偏西風の蛇行によってジェット気流が寒気を押し込む形となり、各地でゲリラ豪雪が発生しました。この影響で、交通網は大きな混乱に陥り、奥羽本線が全面運休したほか、フェリーや航空便の欠航が相次ぎました。特に、国道279号では、トラックのスリップ事故をきっかけに除雪が追いつかず、約200台もの車両が立ち往生し、海上自衛隊に災害派遣が要請される事態となりました。

交通機関への影響

2月2日には、弘南鉄道大鰐線が運休したほか、弘南線では列車が立ち往生しました。大湊線、津軽線といった他の路線でも運休が発生しました。また、太平洋側でも大雪となり、名古屋市で15cmの積雪を記録するなど、広範囲に影響が及びました。

2月26日には、青い森鉄道で始発から49本が運休、大湊線で3本が運休、十和田観光電鉄では上下20本が運休しました。さらに、札幌と青森を結ぶ急行「はまなす」が14時間遅延し、寝台特急「トワイライトエクスプレス」や特急「スーパー白鳥34号」も道内で足止めされるなど、鉄道ダイヤは大きく乱れました。

災害救助法の適用

1月14日には、新潟県の2市に災害救助法が適用されました。その後、1月28日から2月4日には、新潟県の10市町、青森県の2市町、長野県の5市町村にも災害救助法が適用されました。この豪雪による被害の甚大さが伺えます。

被害状況

この豪雪による死者は、平成18年豪雪の死者152人に迫る132人に達しました。多数の死傷者が出たことからも、この豪雪がいかに深刻な災害であったかが分かります。

主な記録

この豪雪では、各地で記録的な積雪が観測されました。アメダス地点における記録的な積雪深や、気象台・旧測候所における最深積雪のデータは、気象庁の過去の気象データ検索から確認できます。

まとめ

2011年末から2012年春にかけての豪雪は、日本各地に大きな被害をもたらした災害でした。特に日本海側では記録的な積雪となり、交通網の寸断、多数の死傷者、そして災害救助法の適用と、その影響は多岐にわたりました。偏西風の蛇行がもたらした寒気の影響で、ゲリラ豪雪が頻発したことも特徴的です。この災害を教訓として、今後の豪雪対策が求められます。

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