平松伸二

平松伸二：法を犯す悪を叩き潰す漫画家

1955年岡山県生まれの平松伸二氏は、数々のヒット漫画を生み出した人気漫画家です。中学生時代から漫画創作を始め、高校1年生で『週刊少年ジャンプ』に作品が掲載されデビュー。その後、上京し、中島徳博氏のアシスタントを経て、1974年『ドーベルマン刑事』で連載デビューを果たしました。

悪を制裁するヒーロー像

平松氏の作品には、法の網をくぐり抜ける悪党を主人公たちが徹底的に叩き潰す物語が多く見られます。正義感の強い主人公像は、読者に強い印象を与え、多くのファンを獲得する要因となりました。『ドーベルマン刑事』はその代表作であり、社会の闇を鋭くえぐり出すその作風は、多くの読者から支持を得ています。

多様なジャンルへの挑戦

しかし、平松氏の作品は、悪を討つヒーローものだけにとどまりません。『リッキー台風』や『どす恋ジゴロ』といった格闘技漫画も手掛けており、セクシーな描写も取り入れるなど、幅広い表現に挑戦しています。これらの作品では、主人公は屈強でありながらも中性的な美貌を持つ人物として描かれることが多いのが特徴です。特に『マーダーライセンス牙』では、両性具有のヒーローという大胆な設定に挑み、従来の漫画の枠を超えた作品を生み出しました。

代表作群

平松氏の代表作は数多く存在します。中でも『ドーベルマン刑事』は、連載40周年を迎え、テレビ番組で特集が組まれるほどの人気作品です。他に『ブラック・エンジェルズ』は完結30周年を迎え、その人気は衰えることを知りません。これらの作品は、単なるエンターテイメント作品としてだけでなく、社会問題や人間の心の闇を反映した深い内容を含んでいます。

創作活動以外

近年では、代表作のイラストに書を融合させた作品「漫書」を発表するなど、創作活動は多岐にわたっています。さらに、地元葛飾区とのコラボレーションで、『わたしの便利帳』の表紙や特殊詐欺警戒啓蒙ポスター、啓蒙ラッピングバスのデザインを手掛けるなど、地域社会への貢献にも積極的に取り組んでいます。

私生活と創作活動

平松氏は、漫画原作者の安江うに氏と結婚しており、夫婦で作品を創作することもあります。60歳を超えてもトレーニングを欠かさず、ボランティア活動にも積極的に参加するなど、ストイックな一面も持ち合わせています。デビュー当初は死神の姿をしたイマジナリーフレンド「外道マン」がおり、アシスタントや妻の悪口ばかり言っていたというエピソードも興味深いものです。

作品リスト

平松氏の作品リストは多岐に渡ります。『ドーベルマン刑事』シリーズ、『ブラック・エンジェルズ』シリーズ、『マーダーライセンス牙』シリーズ、『リッキー台風』シリーズを始め、時代劇版やクロスオーバー作品なども存在します。また、『極ラクゴ』（安江うに氏との合作）のように、妻との共同作業による作品も発表されています。さらに、自伝漫画『そしてボクは外道マンになる』も発表しており、自身の経験や創作活動の過程を赤裸々に語っています。

まとめ

平松伸二氏は、独自の画風とストーリーテリングで、多くの読者を魅了してきた漫画家です。悪を討つヒーロー像から格闘技漫画、そして社会貢献活動まで、その活動は多岐に渡り、漫画界に大きな足跡を残しています。彼の作品は、時代を超えて読み継がれるであろう、日本の漫画史における重要な一部です。今後の活動にも期待がかかります。

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