平田正判

平田 正判（ひらた まさちか）は、1891年（明治24年）2月11日に島根県で生を受けた、大日本帝国陸軍に所属した軍人です。最終階級は陸軍中将に至り、功四級を授与されました。1960年（昭和35年）7月17日に永眠しました。

軍人としての道を歩み始めた平田は、陸軍士官学校の第25期生として学び、さらに陸軍大学校の第34期を卒業して、その見識を深めました。卒業後はアメリカへの駐在を経験し、国際情勢に触れる機会を得ます。

キャリアにおいて重要な転機となったのは、1936年（昭和11年）8月1日に陸軍歩兵大佐に昇進すると同時に、駐米武官の任に就いたことです。これは、当時の日米関係が緊迫する中で、極めて重要な役職でした。ワシントンD.C.で日本の軍事代表として情報収集や外交交渉に関わったと考えられます。

2年後の1938年（昭和13年）4月8日には参謀本部附となり、中央での勤務を経て、同年7月15日には台湾歩兵第2連隊長を拝命し、日中戦争の戦地へと赴任しました。前線での指揮官として、厳しい戦いを経験したことでしょう。

1939年（昭和14年）3月9日、陸軍少将への進級を機に、陸軍習志野学校の幹事を務めることとなりました。軍事教育機関での勤務を経て、同年9月30日には北支那方面軍の参謀副長として、再び広大な中国大陸での任務に就きました。方面軍の要職で、戦略立案や作戦指導に関わったと推測されます。

1941年（昭和16年）3月1日には陸軍公主嶺学校の幹事に着任し、再び軍学校での教育・運営に携わりました。同年11月6日には陸軍中将に昇進。東部軍隷下の第61独立歩兵団長を指揮することとなり、日本国内の防衛体制の一部を担いました。

1942年（昭和17年）8月には東部軍司令部附となり、司令部での勤務を経て、1943年（昭和18年）3月1日には留守第51師団長に就任。戦地にある師団の補充や訓練などを担う重要な役割を果たしました。

1944年（昭和19年）1月7日、第23軍に属する第22師団長に親補され、再び中国戦線に復帰します。この間、日本軍が中国大陸における重要交通路の確保を目指した大陸打通作戦に参加しました。師団長として、広西省の南寧からフランス領インドシナ（仏印）方面への進攻作戦を指揮するなど、前線での激しい戦闘を経験しました。終戦を迎えた1945年（昭和20年）の時点では、第18方面軍の指揮下にあって、タイのバンコクに駐屯していました。

第二次世界大戦終結後、連合国軍占領下の日本では、軍人や戦時中の指導者に対する公職追放が行われました。平田もその対象となり、1947年（昭和22年）11月28日には公職追放の仮指定を受けました。

このように、平田正判は陸軍軍人として、国内での教育・行政から海外での武官、そして日中戦争や太平洋戦争の戦地における前線指揮官まで、多岐にわたる要職を歴任し、昭和期の激動の時代を駆け抜けた人物でした。

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