平範家

平範家の生涯と業績

平範家（たいら の のりいえ）は、平安時代の後期に活動した日本の公卿で、平氏の一流である桓武平氏の高棟流に属していました。彼は平実親の嫡男として生を受け、官位は従三位・木工頭にまで昇進しました。その生涯は、重厚な政治的背景を持ち、数々の重要な役職を歴任したことが特徴です。

経歴の概要

範家は白河院や待賢門院で院司を務めた後、大治5年（1130年）に崇徳天皇の六位蔵人に任命されました。この頃から彼の政治的キャリアは本格的に始まります。大治6年（1131年）には従五位下に昇進し、その後しばらくは散位の状態が続きました。長承3年（1134年）には治部少輔兼淡路守に任じられ、保延5年（1139年）には春宮・躰仁親王の春宮権大進を兼任することになりました。

このように、範家はその生涯において多くの重要な役職を担いながら着実に昇進を遂げていきます。

官位の昇進

保延7年（1141年）には正五位上に叙され、同年12月の躰仁親王の即位に伴い正五位下に昇進しました。この時期には五位蔵人にも任じられ、久安4年（1148年）には右少弁に就きました。久安6年（1150年）には左少弁に昇任し、さらに右衛門権佐も兼任し、三事をこなす超人的な活躍を見せます。その後も、彼は順調に官位を上昇させ続け、特に仁平2年（1152年）には自らの子息の親範を勘解由次官に任じる一方で自分は右衛門権佐を辞すなど、家族の将来にも気を使います。

また、久寿元年（1154年）には権右中弁に任命され、久寿2年（1155年）には従四位下に叙せられるなど、その出世街道は続きました。鳥羽院政期後期には特に官位を上昇させ、急速に昇進を果たしていきます。

保元の乱との関係

その後、保元の乱が発生しましたが、範家は乱の後でも昇進を続け、9月には従四位上と蔵人頭兼右大弁に任じられ、さらに12月には正四位下に叙せられました。翌年の保元2年（1157年）には自らの子息を右少弁に任官させ、同年10月には従三位に至り、公卿の仲間入りを果たしました。

晩年と出家

保元4年（1159年）には出家を決意し、伏見に護法寺を創建しました。その後、応保元年（1161年）に亡くなるまでの47年間、政治の世界で活躍し、数々の業績を残しました。範家の生涯は、当時の政治状況に大きな影響を及ぼしたと言えるでしょう。

家族

彼の父親は平実親であり、母は藤原為隆の三女でした。妻は藤原清隆の次女で、彼との間には息子の平親範をはじめ、様々な子女が誕生しました。親範はその後も政治の道を歩み、平範家の名はさらに広がることとなります。これらの情報から、平範家は当時の日本において重要な存在であったことがうかがえます。

平範家の生涯にわたる業績は、平安時代後期の日本の政治と文化に多大な影響を及ぼしたと言えます。

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