幸塚町

幸塚町（こうづかまち）

幸塚町は、群馬県前橋市に含まれる地域の一つです。郵便番号は371-0053が割り当てられています。2013年時点での面積は約0.28平方キロメートルです。

地理

この地域は、広瀬川によって形成された低地帯に属しています。特に、桃ノ木川の左岸に位置しており、すぐ近くには桃ノ木川と赤城白川の合流地点があり、その合流点よりも東側に広がっています。

地区内を流れる主な河川は桃ノ木川です。

歴史

幸塚町周辺の地域は古くから歴史に登場します。応安6年（1373年）に記された長楽寺の文書には、「大胡郷神塚村」という地名が見られます。また、康暦3年の記録には「大胡郷三俣神塚村」としての記載があります。江戸時代に入ると、この地名はすでに定着しており、前橋藩の領地として管理されていました。

その後の主な歴史的な出来事としては、以下の通りです。

応安6年（1373年）: 『長楽寺文書』に含まれる大胡秀重の請文の中で「大胡郷神塚村」として地名が確認できます。
天正18年（1590年）8月: 平岩親吉が前橋城主となったことに伴い、幸塚村も前橋藩の領地となりました。以後、江戸時代が終わるまで前橋藩領として続きます。
明治22年（1889年）4月1日: 町村制が施行され、幸塚村は周辺の上泉村、江木村、堤村、亀泉村、堀之下村、石関村、東片貝村、西片貝村、上沖之郷、下沖之郷、荻窪村、三俣村と合併し、南勢多郡桂萱村の一部となりました。
明治29年（1896年）4月1日: 郡の統合が行われ、南勢多郡と東群馬郡が統合されたことにより、桂萱村は勢多郡に所属が変わりました。
昭和29年（1954年）4月1日: 桂萱村は、上川淵村、下川淵村、芳賀村、東村、元総社村、総社町といった周辺の1町5村と共に前橋市に編入されました。これによって、前橋市幸塚町が誕生しました。

地名の由来

「幸塚（こうづか）」という地名の成り立ちには、複数の説が伝えられています。

一つ目の説は、元禄の頃の話とされています。神様を背負って旅をしていた人が、歩き疲れて休憩しようとした際、ちょうど手頃な石を見つけて腰を下ろし、体を休めることができたといいます。その石が後に塚となり、旅人が大いに助けられたことから、「幸塚」と名付けられたというものです。

もう一つの説は、この地域に古くからあったとされる赤城神社に関係しています。その神社の拝殿の裏手に、ご神木であるモミの木が生えた塚があったことから、「コウヅカ」、すなわち「神塚」と呼ばれるようになり、それが転じて幸塚となったという説です。

交通・施設

幸塚町内には鉄道駅はありません。主要な国道や群馬県道も通っていません。

地区内の主な施設としては、幸塚町公民館があります。

参考文献

『角川日本地名大辞典 10 群馬県』「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編、角川書店、1988年
『桂萱村誌』桂萱地区自治会連合会、桂萱村誌刊行委員会、2006年
『勢多郡誌』勢多郡誌編纂委員会、1958年

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