広井忠男

広井忠男（ひろい ただお）

広井忠男氏は、1943年5月22日に新潟県小千谷市で生まれました。著作家、政治家として活動し、特に木喰仏の研究と地方政治の分野で顕著な足跡を残しました。

生い立ちと学歴

広井氏は、小千谷市小栗山の木喰観音堂近くで生を受けました。1961年3月に東京都立新宿高等学校を卒業後、1965年3月には早稲田大学を卒業。その後、駒澤大学仏教学部で1年間東洋哲学を専攻し、幅広い知識と深い思索力を養いました。

政治家としてのキャリア

1971年12月には衆議院議員臼井荘一の秘書を務め、政治の世界に足を踏み入れました。1975年4月、新潟県議会議員選挙で自由民主党から初当選し、以降、県議会議員として活躍。1979年と1983年、1987年の選挙でも当選し、合計4期にわたり県政に貢献しました。1990年7月13日には新潟県議会第68代副議長に就任し、その手腕を発揮しましたが、1991年4月の選挙で落選し、副議長を退任しました。1993年には、衆議院議員総選挙に日本新党公認・新党さきがけ推薦で立候補しましたが、落選しました。

その他の活動

政治活動と並行して、1982年には社団法人小千谷青年会議所理事長に就任するなど、地域社会の発展にも尽力しました。また、1991年9月には日本海企画有限会社を設立し、1993年12月には同社の専務取締役に就任。1998年6月にはニチリョク監査役にも就任するなど、実業家としても活躍しました。

木喰研究の第一人者として

広井氏は、木喰仏研究の第一人者としても知られています。全国木喰研究会の初代会長を務め、木喰仏の魅力を広く伝える活動を行いました。著書には『越後の木喰上人』、『野に生きる仏 木喰上人』などがあり、木喰仏に関する深い知識と情熱が窺えます。また、『歌のない信濃川舟歌』や『上野駅青春の旅立ち』など、地域や歴史に関する著作も多数発表しています。

多彩な著書

広井氏は、多岐にわたるテーマで著書を発表しています。『蛍になった特攻兵・宮川三郎物語』や『第38代横綱 羽黒山物語』など、人物に焦点を当てた作品や、『日本の闘牛 その風土と民俗』のような文化研究の著作も手がけています。これらの著作は、広井氏の幅広い関心と深い知識を反映しています。

その他の役職

広井氏は、日本ペンクラブ会員や日本民俗学会会員・新潟県民俗学会理事を務めるなど、文化活動にも積極的に参加しました。また、新潟県体育協会顧問や新潟県アーチェリー協会会長、新潟県相撲連盟顧問など、スポーツ振興にも貢献しました。さらに、新潟県商工会連合会推薦講師や早大新潟県稲門会体育会幹事長、都立新宿高校北斗同窓会長など、多方面で要職を歴任しました。

関連人物

広井氏の故郷である小千谷市は、元内閣総理大臣の田中角栄氏や法学者の内山尚三氏、政治家の柴野たいぞう氏など、著名な人物を輩出しています。広井氏もまた、その一人として地域社会に貢献しました。

広井忠男氏は、政治家、著作家、そして木喰研究家として、その多才な才能を発揮し、幅広い分野で活躍した人物です。

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