広島県道・島根県道4号甲田作木線

広島県道・島根県道4号甲田作木線（ひろしまけんどう・しまねけんどう4ごうこうださくぎせん）は、広島県安芸高田市を起点とし、島根県邑智郡邑南町を経由した後、再び広島県に入って三次市に至る主要地方道に指定されている路線です。この道路の特筆すべき点は、その起終点がどちらも広島県内にあるにもかかわらず、経路の途中で島根県を通過するという、県境を複数回越える形態をとっていることです。安芸高田市と三次市、そして島根県邑南町の間の地域連携を支える重要な役割を果たしています。

概要

この路線の正式な起点は、広島県安芸高田市甲田町上甲立にある「高宮分かれ交差点」です。ここでは国道54号と接続しています。一方、終点は広島県三次市作木町大津の「両国橋東詰」に位置し、国道375号および広島県道・島根県道112号三次江津線と接続しています。

路線の総延長は32.2キロメートルですが、実際に道路として供用されている実延長は25.6キロメートルです。このうち、広島県内の区間は合計19.378キロメートル（起点付近の0.193キロメートルと終点付近の19.185キロメートル）、島根県内の区間は6.261キロメートルとなっています。

歴史

広島県道・島根県道4号甲田作木線は、1972年（昭和47年）3月21日に広島県告示によって「広島県道34号甲田作木線」として初めて認定されました。この時点では、広島県内のみを通る路線でした。同年11月1日には、広島県で県道番号の統一・固定化が行われたことに伴い、「広島県道45号甲田作木線」と名称と番号が変更されました。

転機となったのは、1993年（平成5年）5月11日に建設省（現在の国土交通省）から主要地方道として指定されたことです。この指定により、従来の広島県道45号甲田作木線に加え、県道都賀高宮線の一部、県道浜田作木線の一部が統合され、新たな主要地方道「甲田作木線」の骨子となりました。そして、翌1994年（平成6年）4月1日、広島県および島根県のそれぞれの告示をもって、「広島県道・島根県道4号甲田作木線」として正式に認定・改称されると同時に、そのルートが大きく変更されました。特に、高田郡高宮町佐々部より北の区間が、途中で島根県を経由する経路となり、それに伴い終点も従来の双三郡作木村香淀から双三郡作木村大津に変更されました。

この経路変更により、旧県道都賀高宮線の一部（高田郡高宮町佐々部から邑智郡羽須美村下口羽まで）が本路線に編入され、また旧県道浜田作木線の一部（邑智郡羽須美村下口羽から双三郡作木村大津まで、広島県道・島根県道112号三次江津線との重複区間）が本路線との重複区間となりました。一方で、旧県道都賀高宮線の残部は島根県道として新たに認定され、経路変更前の本路線の一部（高田郡高宮町佐々部から双三郡作木村香淀まで）は、重複していた国道や県道との重複関係が解消されました。

平成の大合併の影響も受けています。2004年（平成16年）3月1日には安芸高田市が成立したことで、起点の地名表記が「高田郡甲田町上甲立」から「安芸高田市甲田町上甲立」に変更されました。また、同年4月1日には（新）三次市が成立したことで、終点の地名表記が「双三郡作木村大津」から「三次市作木町大津」に変更されています。さらに、2005年（平成17年）6月1日からは、安芸高田市内の区間のうち、国道433号や国道434号と重複しない区間における県道の管理権限が、広島県から安芸高田市へと移譲されています。

路線状況と地理

本路線は複数の区間で他の道路と重複しています。

安芸高田市高宮町佐々部では、広島県道322号北船木線、国道433号、国道434号、そして広島県道・島根県道112号三次江津線と重複します。
島根県邑智郡邑南町下口羽から終点の三次市作木町大津にかけては、島根県道・広島県道7号浜田作木線および広島県道・島根県道112号三次江津線と重複しています。

道路構造物としては、邑智郡邑南町と三次市の間で江の川を渡る「両国橋」などが挙げられます。また、トンネルも存在します。

この県道が通過する自治体は、広島県安芸高田市、島根県邑智郡邑南町、そして広島県三次市です。

管理者

本路線の管理は、区間によって担当が分かれています。広島県内の区間のうち、国道433号・国道434号と重複する区間は広島県西部建設事務所が、三次市の区間は広島県北部建設事務所が管理しています。安芸高田市内の単独区間（国道433号・国道434号重複区間を除く）は安芸高田市建設部が管理しており、島根県内の区間は島根県県央県土整備事務所が管理を担当しています。

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