広島県道270号八木緑井線

広島県道270号八木緑井線

広島県道270号八木緑井線（ひろしまけんどう270ごう やぎみどりいせん）は、広島県広島市安佐南区内に位置する一般県道です。この路線は、広島市安佐南区の八木地区から緑井地区までを結び、地域の日常生活や交通において重要な役割を果たしています。

歴史的背景

この県道は、かつて主要幹線道路であった国道54号の一部として機能していました。具体的には、1969年（昭和44年）に現在の佐東バイパスが開通する以前に利用されていた旧道にあたります。佐東バイパスの供用開始に伴い、旧道となった区間が1970年（昭和45年）に県道として認定され、広島県道270号八木緑井線として管理されるようになりました。

路線データ

起点: 広島市安佐南区八木8丁目。ここでは「太田川橋西詰交差点」で、国道54号や広島県道177号下佐東線の終点と接続しています。
終点: 広島市安佐南区緑井1丁目。「緑井1丁目交差点」で再び国道54号と交差・接続します。
* 総延長: この県道の全長は約4.7キロメートルです。

地理と沿線

広島県道270号は、その全区間が広島市安佐南区内を通ります。起点と終点で国道54号に接続するほか、途中ではJR西日本可部線と交差しています。

沿線地域には、地域住民の生活を支える様々な施設や交通拠点が点在しています。JR可部線の駅としては、上八木駅、梅林駅、七軒茶屋駅、そして緑井駅があり、鉄道との乗り換え拠点となっています。また、行政サービスを提供する広島市安佐南区役所佐東出張所や、地域の学び舎である広島市立八木小学校、広島市立梅林小学校もこの県道沿いに位置しています。さらに、商業施設としては、ラクア緑井やフジグラン緑井といった大型施設が近くにあり、買い物客などで賑わいます。このように、本路線は単なる通過点としてだけでなく、地域社会の中心的な役割を担う道路です。

バス路線の主要経由地

広島県道270号八木緑井線は、特に路線バスの運行において重要なルートとなっています。広島駅や広島バスセンターを出発し、可部方面へと向かう多くのバス便がこの県道を経由しています。これらのバスが通る道は、佐東バイパス経由ではない旧道にあたることから、地元ではしばしば「新道」または「新国道」という通称で呼ばれています。

広島電鉄や広島交通の運行する可部方面行きのバスは、そのほとんどがこの県道270号線を利用しています。しかし、一部の例外路線も存在します。例えば、広島電鉄の三段峡線や、広島交通の上原線、南原研修センター線、桐陽台線、および勝木線の急行便は、この県道を通らず佐東バイパスを経由して運行されます。また、JRバス中国が運行する飯室線、星が丘線、大朝線などの可部方面へ向かう全便も、この県道ではなく佐東バイパスを通過します。バスを利用される際は、利用する路線がどちらのルートを通るか事前に確認すると良いでしょう。この県道は、多くのバスが行き交う、地域交通の要衝の一つと言えます。

このように、広島県道270号八木緑井線は、旧国道としての歴史を持ちながらも、現在では安佐南区内の主要な生活道路として、そして多くのバス路線が経由する交通動脈として、地域住民の暮らしを支え続けています。

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