広島県道293号本多田佐伯線

広島県道293号本多田佐伯線は、広島県広島市佐伯区湯来町大字多田を起点とし、同県廿日市市浅原に至る一般県道です。この路線は、広島市佐伯区の西部山間部から廿日市市南部の佐伯地区を結び、地域住民の生活を支える重要な役割を担っています。

路線概要

本路線は、広島市佐伯区内の湯来町多田地区にある国道488号旧道との交差点を起点とし、廿日市市浅原地区の国道186号交差点までを結んでいます。路線の総実延長は16.556キロメートルです。特に異常気象時においては、広島市佐伯区湯来町大字多田から廿日市市津田の弘法谷橋までの区間で通行規制が実施されることがあります。

歴史

現在の広島県道293号本多田佐伯線は、1972年3月21日に広島県告示第234号により、広島県道126号本多田佐伯線として認定されたことに始まります。これは、以前存在した広島県道126号和田佐伯線のうち、広島市佐伯区湯来町大字和田から同多田までの区間が島根県道・広島県道4号益田廿日市線（後に大部分が国道488号に移行）に編入されたことに伴い、残りの区間が新たな路線として指定されたものです。

同年11月1日には、広島県が実施した県道番号の再編により、現在の路線番号である293号に変更されました。その後、時代の変化に伴い、路線の名称や起終点の表記にも変更が生じています。1982年4月1日には、終点を含む佐伯郡佐伯町の読み方が「さえきぐんさえきちょう」から「さえきぐんさいきちょう」に変更されたことに伴い、本路線の名称である「本多田佐伯線」の読み方も「ほんたださえきせん」から「ほんたださいきせん」へと改められました。さらに、市町村合併の影響も受けており、2003年3月1日には佐伯郡佐伯町が廿日市市に編入されたことで、終点の地名表記が「佐伯郡佐伯町浅原」から「廿日市市浅原」に変更されました。また、2005年4月25日には佐伯郡湯来町が広島市に編入され広島市佐伯区の一部となったため、起点の地名表記も「佐伯郡湯来町大字多田」へと変更されています。

路線状況

本路線は、その区間によって道路状況が大きく異なります。起点の広島市佐伯区湯来町大字多田から廿日市市虫所山にかけての区間は、道路幅員が1メートルから1.5メートル程度の狭隘な区間が続き、さらに急勾配の山道であるため、大型車両の通行は困難です。続く廿日市市虫所山（広島県道295号助藤津田線との交差点付近）から広島県道294号虫道廿日市線との分岐点を経て廿日市市津田の弘法谷橋までの区間も、普通車同士でもすれ違いが困難なほど道幅が狭い箇所が多く存在します。これらの山間部や狭隘区間では、路肩からの落石や倒木が発生しやすく、特に冬場は積雪や路面凍結が多いため、通行には細心の注意が必要です。

弘法谷橋から広島県道30号廿日市佐伯線との交差点まで、そして終点の廿日市市浅原にある国道186号交差点までの区間は、一部に1.5車線の未改良区間も残りますが、概ね2車線が確保されており、比較的通行しやすくなります。

道路施設

沿線には、1993年に竣工した新保曽原トンネルがあります。このトンネルは廿日市市浅原に位置し、延長は182メートルです。

地理

本路線が通過する自治体は、広島県内の広島市（佐伯区）と廿日市市です。主な交差道路としては、起点の国道488号旧道のほか、広島県道295号助藤津田線、広島県道294号虫道廿日市線、広島県道30号廿日市佐伯線、そして終点の国道186号が挙げられます。また、終点付近では山口県道・広島県道2号岩国佐伯線にも接続しています。沿線には佐伯中央病院や廿日市市役所の佐伯支所、浅原窓口連絡所などの施設があり、小瀬川に沿って進む区間も見られます。

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