広島県道31号呉平谷線

広島県道31号呉平谷線

広島県道31号呉平谷線は、広島県呉市と安芸郡熊野町を結ぶ重要な地方道路（主要地方道）です。この路線は、呉市の中心市街地と、その北部地域に広がる大規模な住宅団地を結ぶ生活幹線としての役割を担っています。

概要

路線の起点は呉市西中央1丁目、国道31号との交点である二河大橋東詰交差点に位置します。そこから約11.3キロメートルの道のりを経て、終点である安芸郡熊野町平谷の平谷交差点に至ります。この終点では、広島県道34号矢野安浦線および広島熊野道路と接続しています。

本路線は、呉市の市街地から山間部へと分け入る地形を通過するため、全体的に高低差が大きく、カーブが多い区間が存在します。この険しい地形が影響し、道路の多くが上下各1車線の合計2車線構造となっており、特に朝夕の通勤・通学ラッシュ時には慢性的な交通渋滞が発生しやすい状況が続いています。

こうした交通課題を解消し、利便性の向上を図るため、現在、路線の改良事業として主要部分の上下4車線化が積極的に推進されています。既に上二河トンネルなど、一部の区間では拡幅工事が完了し、供用が開始されており、渋滞緩和や定時性確保に向けた効果が期待されています。

歴史

現在の広島県道31号呉平谷線は、その前身を広島県道276号平谷呉線としていました。しかし、1976年（昭和51年）に道路法に基づく「主要な都道府県道」として全線が新たに指定されたことを受け、路線の名称、起終点の位置、そして路線番号が一新され、現在の広島県道31号呉平谷線という形になりました。

路線状況

路線の途中にある景勝地、二河峡の付近は、過去に自然災害による被害が発生したこともあり、異常気象時には通行が規制される区間に指定されています。例えば、1999年（平成11年）6月末に発生した集中豪雨の際には、この路線が土砂崩れなどの大きな被害を受け、長期にわたり通行に支障が生じる事態となりました。

また、路線の改良は進んでいるものの、一部には依然として狭隘な区間が残されています。具体的には、東明ハイツ入口から押込大橋西詰にかけての区間では、道路の幅員が十分に確保されておらず、大型車両同士のすれ違いが非常に困難な状況であり、ドライバーには慎重な運転が求められます。

地理

本路線は、以下の自治体を通過します。

呉市
安芸郡熊野町

交差する主な道路は以下の通りです。

国道31号（呉市：起点）
広島県道34号矢野安浦線（安芸郡熊野町：終点）
広島熊野道路（安芸郡熊野町：終点）

沿線施設など

沿線には、地域住民の生活や公共サービスに関わる様々な施設、および自然景観や歴史的な場所が存在します。

主要施設

二河橋
広島県警察 呉警察署
呉共済病院
広島県立呉三津田高等学校
二河公園（呉市二河野球場、呉市営陸上競技場を含む）
広島県立呉昭和高等学校（※本校は、県道31号線の「此原団地口」交差点から約2キロメートル入った場所に位置しており、現在廃校に向けた手続きが進められています）
呉市役所昭和支所

名所・旧跡

二河峡
本庄水源地

広島県道31号呉平谷線は、地域の生活を支える基幹道路であると同時に、通過する地形や歴史、沿線の施設に特色を持つ路線と言えます。進行中の改良事業により、将来的にはより安全で円滑な交通が確保されることが期待されています。

関連項目

* 広島県の県道一覧

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