広島県道421号矢多田阿字線

概要

広島県道421号矢多田阿字線（ひろしまけんどう421ごうやただあじせん）は、日本の中国地方に位置する広島県、その東部にある府中市内を縦断する一般県道です。この道路は、府中市の北東部に位置する旧甲奴郡上下町域にあたる上下町矢多田の地域から出発し、南西方向へとルートを進め、同市阿字町に至るおよそ8.9キロメートルにわたる道程を結んでいます。地域の交通ネットワークにおいて、住民の日常的な移動や生活を支える一本として機能しています。

路線データ

広島県道421号矢多田阿字線を構成する主なデータは以下の通りです。

起点: 広島県府中市上下町矢多田
路線の出発点となるこの地点は、地域を東西に結ぶ主要な幹線道路である国道432号と接続しています。また、同じく県道である広島県道427号宇賀矢野線の終点もこの場所に位置しており、複数の道路が交わる交通上の結節点となっています。
終点: 広島県府中市阿字町
本路線の終点は府中市阿字町に設けられています。ここでは、府中市の中心部と旧上下町地域を結ぶ重要な幹線道路である広島県道24号府中上下線と接続しており、県道421号としてのルートはここで終結します。
総延長: 約8.9 km
起終点間を結ぶ路線の全長は、およそ8.9キロメートルです。

歴史

この県道は、比較的新しい時期に認定された路線です。

1980年（昭和55年）7月1日: 広島県によって、この路線が正式に県道として指定を受けました。これは、同日に広島県から公布された県告示第583号に基づいて行われたものです。
2004年（平成16年）4月1日: この日、行政区画の大きな変更が実施されました。それまで独立した自治体であった甲奴郡上下町が、隣接する府中市に編入合併されたのです。この合併に伴い、県道421号は、その起終点を含めた全線が府中市の行政区域内を通過する路線となりました。また、この行政区画の変更に合わせて、路線の起点があった「甲奴郡上下町矢多田」という当時の地名表記も、新たな行政区分である「府中市上下町矢多田」へと改められることになりました。これにより、現在では起終点を含め、全区間が府中市内を走行する路線となっています。

地理

通過する自治体

広島県道421号矢多田阿字線がそのルート上で通過する自治体は、広島県府中市のみです。起点の上下町矢多田から終点の阿字町まで、路線の全ての区間が府中市の行政区域内に収まっています。

交差する道路

本路線が他の主要な道路と交差または接続する地点は以下の通りです。

国道432号（起点付近、府中市上下町矢多田）
広島県道427号宇賀矢野線（起点付近、府中市上下町矢多田） - この地点が県道427号の終点にあたります。
広島県道24号府中上下線（終点付近、府中市阿字町）

沿線

県道421号の沿線やその周辺地域には、いくつかの特徴的な施設や地理的要素が見られます。

JR西日本福塩線備後矢野駅: 路線の起点となる府中市上下町矢多田のごく近くには、JR西日本が運行する福塩線の備後矢野駅があります。これは、この地域の住民にとって重要な公共交通機関の一つです。
府中市立上下南小学校: 同じく起点の近くには、地域の教育機関である府中市立上下南小学校が位置しています。これらの施設が起点付近に集まっていることから、このエリアが地域の生活拠点であることが伺えます。
岳山: 沿線には、標高741メートルを誇る岳山があります。この山は路線の近くにそびえ、周辺地域のランドマークともなっています。県道はこの山の麓や周辺の地形に沿って敷設されており、自然豊かな景観を眺めながら走行できる区間も含まれている可能性があります。

この県道は、これらの地理的な特徴を結びつけながら、府中市内の地域間を結ぶ役割を果たしています。特に、上下町方面と阿字町方面との間の交通を円滑にする上で、重要な役割を担っています。

広島県道421号矢多田阿字線