広島県道56号府中世羅三和線

広島県道56号府中世羅三和線

広島県道56号府中世羅三和線は、広島県東部に位置する府中市から、世羅郡世羅町を通過し、三次市に至る主要な地方道として指定されています。この路線は、地域間の円滑な交通を確保し、沿線住民の生活や産業活動、さらには観光振興を支える上で重要な役割を果たしています。

概要

この県道の起点は、府中市阿字町に所在する「落合三差路交差点」です。ここでは広島県道24号府中上下線と接続しています。終点は三次市三和町敷名に位置しており、国道375号に接続しています。路線全体の総延長は約42.1キロメートルにおよびます。

歴史

現在の広島県道56号府中世羅三和線は、1993年（平成5年）5月11日に建設省（現在の国土交通省）によって主要地方道として指定されたことで成立しました。この指定は、それまで存在していた県道府中世羅線と県道中安田三和線という二つの路線を統合し、再編成することによって行われました。

路線の特徴

路線の大部分は整備されていますが、一部には道路の幅が狭い区間が存在し、特に大型車両の通行には注意が必要です。主な狭隘区間としては、以下の二箇所が挙げられます。

1. 国道432号および広島県道51号甲山甲奴上市線との間を結ぶ区間
この区間では、一部に大型車の通行が困難な箇所があります。このため、1～2キロメートルほど南側を並行して走る広域農道「ふれあいロード」を利用した迂回が推奨されています。
2. 広島県道28号吉舎豊栄線および広島県道45号三次大和線との間を結ぶ区間
こちらも一部で幅員が狭い箇所がありますが、現在、道路の拡幅工事が積極的に進められています。今後の改良によって、5年以内にはこの区間の通行状況が改善される見込みです。

地理

この県道は、府中市を出発した後、世羅郡世羅町に入ります。その後、一時的に三次市を通過しますが、再び世羅郡世羅町を経由し、最終的に三次市内で終点に至るという特徴的な経路をたどります。

通過する自治体

府中市
世羅郡世羅町
三次市
世羅郡世羅町
三次市

重複区間

路線の途中には、他の道路と経路を共有する重複区間が複数存在します。

世羅郡世羅町大字伊尾の付近では、国道432号および広島県道25号三原東城線と重複します。
世羅郡世羅町大字青近から大字別迫にかけての区間では、広島県道403号別迫上下線と重複します。
世羅郡世羅町大字別迫地内では、広島県道51号甲山甲奴上市線と重複します。
三次市吉舎町徳市地内では、広島県道28号吉舎豊栄線と重複します。
世羅郡世羅町下津田付近では、広島県道45号三次大和線と重複します。

沿線情報

広島県道56号府中世羅三和線の沿線には、地域の暮らしに関連する施設や、訪れる人々を楽しませる観光スポットが点在しています。

主要施設

JR西日本福塩線：河佐駅、備後三川駅
八田原ダム
山田川ダム

名所・旧跡・観光地

河佐峡：清流と豊かな自然が魅力の景勝地です。
世羅高原農場、世羅ゆり園：四季折々の美しい花々が楽しめることで知られる農場や公園です。
せら夢公園：多目的に利用できる広大な公園施設です。

広島県道56号府中世羅三和線は、一部に残る改良が必要な区間についても工事が進められており、今後さらに利便性が向上することが期待されます。地域の交通を支える基盤として、また沿線の豊かな自然や観光資源へのアクセス路として、この路線の果たす役割は大きいと言えるでしょう。

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