広島電鉄白島線

広島電鉄白島線

広島電鉄白島線は、広島県広島市中区の八丁堀停留場から白島停留場を結ぶ、全長1.2kmの軌道路線です。広島電鉄の市内線の一つとして、市民の足として親しまれています。

概要

白島線は、本線などと同様に、開業当時から存在する路線です。長らくの間、市内線では唯一、他路線との直通運転を行っていませんでしたが、2013年に江波停留場までの直通運転が開始され、利便性が向上しました。

また、白島線は、ワンマン運転やICカード乗車券「PASPY」が先行して導入された路線でもあります。総延長が短いことから、かつては運賃が市内線の他路線よりも安く設定されていましたが、2025年2月1日に他路線と同額に改定されました。

2007年には、広島商工会議所から路線の廃止が提言されましたが、広島市は「是非とも存続すべきである」という意思を表明し、広島電鉄も市の意向に沿う方針を示したため、現在も運行が継続されています。

路線データ

路線距離（営業キロ）：1.2km
軌間：1435mm
停留場数：5（起終点含む）
複線区間：全線（白島停留場付近を除く）
電化区間：全線（直流600V）

運行形態

白島線では、9号線のみが運行されています。基本的には八丁堀 - 白島間の線内折り返し運行ですが、2013年2月15日から江波（江波線） - 八丁堀 - 白島間で直通運転が行われています。2022年7月時点では、早朝の白島行きと深夜の江波行きのみが直通運転されています。

早朝便は白島到着後、線内完結運用に就き、深夜便は江波到着後、入庫します。2024年現在は、主に1000形と1900形の2両で運行されています。

PASPY導入当初は、700形の705号と713号が頻繁に使用されていました。これは、江波車庫の車両でPASPYリーダーが取り付けられていたのが、705号と713号のほか、912号、913号、1913号、1915号のみであったためです。全在籍車両がPASPYに対応するまでは、これらの車両に限定して運用されていました。また、PASPY機器対応後の運用試験として、2009年2月9日から3月1日までの平日朝ラッシュ時には、江波車庫所属の700形と800形の各車両が日替わりで運用に就いていました。

過去には、1980年代後半から2000年代半ばにかけて、春夏は100形（レトロ電車）が、秋冬は200形（ハノーバー電車）が休日に運行されていました。

歴史

1912年（大正元年）11月23日：八丁堀 - 白島間が常盤橋線として開業。当時は京口門前、つまり広島城の旧外堀を埋め立てて整備された道の上を通る路線でした。
1940年（昭和15年）4月：他路線に先駆けてビューゲルの導入が行われました。
1945年（昭和20年）8月6日：広島市への原子爆弾投下により全線不通となりました。
1952年（昭和27年）3月：全線が復旧し、現在の路線の位置となりました。
1969年（昭和44年）：広電の他路線に先駆けて900形にてワンマンカーの運用を開始しました。
2008年（平成20年）3月1日：広電の他路線に先立って『PASPY』（IC乗車カード）を導入。同時にJR西日本『ICOCA』での乗車が可能となりました。また、営業運転で使用されていなかった700形が使用されるようになりました。
2013年（平成25年）2月15日：超低床連接車1000形が投入され、9号線の一部の電車が本線・江波線経由で江波まで乗り入れを開始しました。

停留場一覧

白島線の停留場は、すべて広島県広島市中区内にあります。全線を9号線のみが経由します。

脚注

広島電鉄公式サイト

関連項目

日本の鉄道路線一覧
白島

外部リンク

白島線
『大広島市街地図 : 番地入』1940年（国立国会図書館近代デジタルライブラリー） - 1940年時の路線図。

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