広島電鉄5100形電車

広島電鉄5100形電車について

広島電鉄5100形電車は、2004年に広島電鉄に登場した路面電車です。その愛称は「Green mover max」とされており、これはその先進的なデザインと機能性を表現しています。5100形の特徴は、国産初の100％フルフラット超低床電車であることです。

共同開発による誕生

5100形は、近畿車輛、三菱重工業、東洋電機製造、広島電鉄の4社によるU3プロジェクトの一環として開発されました。このプロジェクト名の「U3」は、「Ultimate（究極の）」「Urban（都会的な）」「User friendly（利用しやすい）」の頭文字を取って名付けられました。メーカでは「JTRAM」という愛称も持たれています。

車両は5連接車の構造で、広島港方からA、C、E、D、Bの順に編成されています。5101号は宮島口方からB、D、E、C、A車に所属しており、これには荒手車庫が関連しています。2004年12月19日に江波車庫へ搬入された後、宮島線と市内線での試運転を経て、2005年3月30日に営業運転を開始しました。

運用状況

現在、5100形は10編成が運用されており、主に1号線（宇品線）で使用されています。朝夕のラッシュ時には5号線（比治山線）でも運行され、5101号のみが2号線（本線・宮島線）で運用されています。5100形は、厳島神社の初詣や宮島水中花火大会などの特別輸送時には、千田車庫から臨時便として宮島線を走行することもあります。

ロゴデザインの変遷

当初のロゴでは「GREEN MOVER max」の字体が使用されていましたが、商標権の問題により、第2編成の登場時にデザインが変更され、小文字主体の「Green mover max」となりました。ただし、行先表示幕には元の大文字表記が残されています。

観光インフォメーション電車

5101号は2007年4月19日から「広島観光インフォメーション電車」として運行され、広島の観光地を紹介する役割を果たしました。2008年夏には、その車両が特別なプロモーションに使用され、地域活性化に寄与しました。

デザインと機能

5100形は良好な車両デザインが評価され、2005年には日本産業デザイン振興会からグッドデザイン賞を受賞しました。さらに2006年には鉄道友の会よりローレル賞も受賞しています。

コンビーノとの比較

5100形は、以前のコンビーノに対する改善が図られています。座席数は増加し、冷房の効率化や車椅子利用者への配慮がなされました。特に、中間台車の設計を改良し、よりスムーズな車両運行が実現されています。さらに、内装は明るく清潔感が溢れるホワイト・ライトグリーン基調に変更され、乗車時の快適さが向上しています。また、運転席の視界改善やBrakingシステムの改良も行われ、運転しやすい環境が整えられています。

主要諸元

5100形の設計最高速度は80km/h、営業最高速度は路線によって異なり、市内線では40km/h、宮島線直通運用時では60km/hとなります。最小曲線半径は18m、最急勾配は50‰に設定されています。これらの要素は、安定した運行を支える重要な要素となっています。

まとめ

5100形電車は広島電鉄の現代的な象徴であり、地域住民及び観光客にとっても重要な交通手段となっています。これからも、そのさらなる発展と利便性向上に期待が寄せられています。

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