広田湾

広田湾は、岩手県陸前高田市と宮城県気仙沼市にまたがる湾であり、三陸海岸特有のリアス式海岸が特徴です。湾の奥には高田松原が広がり、陸前高田市の中心市街地も位置しています。

概要

広田湾は、陸前高田市の広田半島南端の広田埼と、気仙沼市字高石浜東端を結ぶ線から陸側の海域を指します。南東方向に開けて太平洋に面しており、湾口幅は約4.75km、面積は約37.13km2です。湾の東岸から西岸にかけては陸前高田市、南西岸は気仙沼市となっています。湾口より南には唐桑半島が伸びています。高田松原を除くと、海岸部には大規模な砂浜は少なく、崖が多く見られます。その間には小規模な砂浜や港が点在しています。

生態系と漁業

湾奥にはアマモなどの藻場やガラモ場が広がり、西側の湾口付近にはコンブ群落が見られます。これらの豊かな生態系は、多様な生物の生息を支えています。

湾岸には、南東岸の広田漁港や北西岸の長部漁港をはじめとする中小の漁港が点在しています。湾奥には気仙川が流入するため、貝類などの生育に適した環境が形成されています。このため、カキ、ワカメ、ホタテ貝などの養殖が盛んに行われてきました。

しかし、2011年の東日本大震災では、津波により沿岸部全体が甚大な被害を受けました。養殖設備や漁船が流失し、カキ生産者の数は震災前の97人から2023年3月時点で43人にまで半減するなど、漁業への影響は深刻でした。震災からの復興に向けて、関係者による懸命な努力が続けられています。

外部リンク

広田湾（環境省閉鎖性海域ネット）
広田湾（公益財団法人国際エメックスセンター）

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