気仙川

気仙川（けせんがわ）

気仙川は、岩手県を流れる二級河川であり、気仙川水系の本流です。住田町と陸前高田市を流域とし、全長44キロ[[メートル]]に及ぶこの川は、鮎をはじめとする渓流釣りの人気スポットとして知られています。

地理

気仙川は、岩手県気仙郡住田町上有住の高清水山を源流とし、南西方向に流れます。多くの支流を合わせながら、住田町世田米の住田町役場付近でほぼ直角に右折し、陸前高田市へと南下します。陸前高田市に入ると、南から南南東へと流れを変え、最終的には広田湾（太平洋）に注ぎます。河口付近には、三角形の陸前高田平野が広がっています。流域面積は520平方キロ[[メートル]]です。

歴史

1934年（昭和9年）には、昭和農業恐慌による地域経済の疲弊に対応するため、時局匡救事業の一環として下流域で河川改修事業が行われました。この事業では、男性労働者に90銭、女性労働者に45銭の賃金が支払われました。

かつて河口には、仙台藩と岩手県を代表する防潮林であり、観光地としても有名だった高田松原がありました。しかし、2011年（平成23年）3月11日の東日本大震災によって壊滅的な被害を受けました。震災後、河口部の水門の再建が進められ、2020年（令和2年）3月末にほぼ完成しました。

主な支流

大股川（おおまたがわ）: 住田町を流れ、物見山（種山ヶ原）を源として東流し、世田米川口で気仙川の右岸に合流します。
矢作川（やはぎがわ）:（生出川、中平川）陸前高田市を流れ、竹駒地区で気仙川の右岸に合流します。

水害

気仙川の流域は急峻な地形のため、洪水が頻発しやすく、過去には何度も水害に見舞われてきました。近年発生した主な水害は以下の通りです。

1979年（昭和54年）10月: 台風20号により氾濫が発生し、橋梁が流されるなどの甚大な被害が出ました。
1981年（昭和56年）8月: 台風15号により氾濫が発生しました。
1998年（平成10年）9月: 豪雨により氾濫が発生し、土砂崩れや路面流出が相次ぎました。
1999年（平成11年）7月: 豪雨により各地で浸水被害が発生しました。
2002年（平成14年）7月: 台風6号による氾濫が発生し、国道45号が寸断されたほか、各地で水路が氾濫しました。

生態系

気仙川は清流として知られ、アユ、イワナ、ヤマメなど多くの魚類が生息しています。豊かな生態系が育まれています。

渓流釣り

毎年3月から10月にかけて、気仙川では渓流釣りが盛んに行われ、多くの釣り愛好家が訪れます。特に、7月1日はアユ釣り解禁日として知られています。釣りのルールについては、気仙川漁業協同組合が発行する遊漁規則で詳細が定められています。

並行・交差する交通

気仙川に並行または交差する主な交通路は以下の通りです。

道路: 国道45号、国道340号
橋: 気仙大橋、姉歯橋、昭和橋、松日橋など。

その他の橋については、気仙川漁業協同組合のウェブサイトで公開されている「遊漁マップ」で確認できます。

作品

東日本大震災の翌年、2012年（平成24年）には、陸前高田市出身の写真家・畠山直哉氏が写真集『気仙川』を刊行しました。この写真集は、2013年にはフランス語版‘Kesengawa’（英仏語併記）としても出版されています。

脚注

参考文献

小池一之・田村俊和・鎮西清高・宮城豊彦 編『日本の地形 3 : 東北』東京大学出版会、2005年2月。ISBN 978-4-13-064713-7。

関連項目

岩手県の二級水系一覧
滝観洞 - 気仙川の源流近くにある観光鍾乳洞。洞内に「天の岩戸の滝」がある。

外部リンク

気仙川の概要 - 津付ダム建設事務所 ※リンク切れのためアーカイブ
* 気仙川漁業協同組合オフィシャルサイト

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