庄高家

庄高家について

庄高家（しょう たかいえ、生没年不詳）は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した武士で、現在の埼玉県本庄市栗崎を拠点にしていた武蔵国児玉党の一員です。彼は児玉党本宗、庄太夫家弘の四男として生まれ、通称は四郎です。高家の名は多くの系図に見られ、職階として従五位下の記録もあります。

生涯の足跡

高家は『平家物語』の「重衡生捕」において一ノ谷の戦いでの功績が記されています。この戦では、彼が梶原景季と共に平家の大将、平重衡を捕虜としたとされています。重衡が落馬し自害を試みた際、高家は彼を救い、自らの馬に乗せて護送したと伝えられます。ただし、他の伝承では家弘の長男である家長や三男の忠家が捕らえたとされることもあり、その真偽ははっきりしていません。

また、彼の名前は『呉代鏡』文治元年（1185年）11月2日条にも記載されており、源義経の家人であった高家は義経の西国への落ち延びについて従わず、義経の命で船の手配を行っていました。義経から遣わされていた越前国の武士、斎藤友実と出会った際に、義経に味方すると偽って彼を殺害したとあります。この事件は、高家の性格や行動がどうであったのかを測る上で興味深い一幕です。

その後、彼は1170年代に行われた奥州合戦（1189年）や源頼朝の上洛に参加し、建久元年（1190年）には後陣随兵として同行しています。

蛭川氏の祖

高家は後に児玉郡栗崎から蛭川（現在の児玉町蛭川）へ移住し、蛭川氏の祖となりました。系図には家弘の子供たちの名、例えば蛭川太郎定家や蛭川四郎家国などの記載があり、高家の子孫たちがこの土地に根付いていったことが伺えます。『吾妻鑑』にも蛭川刑部極や蛭川刑部三郎の名が見え、彼ら一族の存在も確認されています。このように、高家から派生した家系は Frogana や庄氏を名乗る者も多く、必ずしも氏名は一定していなかったようです。

そのため、彼の子孫にあたる人々の間では児玉氏を名乗った者もいたとも言われています。

児玉党の一員

児玉党は武蔵七党の一つであり、木曾義仲追討や一ノ谷の戦いにおいて多くの戦功を挙げたことで知られています。高家自身は木曾義仲に仕え、義経の家人としても名を馳せ、これにより彼の伝承が残されることとなりました。

また、児玉町蛭川の神社には高家が重衡の首を討ち取ったとされる首塚も存在しますが、実際にはその捕獲は家長が行ったという見方が強いです。この理由として、高家が討ち取った場合にはそれ相応の恩賞が与えられるべきですが、彼には無頓着だったことが不自然だからです。

他にも多くの資料が高家とは無関係に家長の手柄として記述していることから、この点においても信憑性が疑問視されます。重衡の生け捕りに関する議論は多岐にわたりますが、十分な証拠がないため、高家がその功績を享受したかどうかは不明と言えるでしょう。こうした背景が高家に関する文献や伝承に複雑さを与えています。

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