庾杲之

庾 杲之の生涯と業績

庾 杲之（ゆ こうし、441年 - 491年）は、南朝宋から斉にかけて活躍した官僚であり、士族であった。彼の本貫は南陽郡新野県で、字は景行とされた。彼は後ろ盾となる家族を持っており、父親は庾粲で、彼もまた有名な官僚であった。彼の生涯には、さまざまな公職とそれに伴う業績が詰まっている。

幼少期と初任

庾杲之は、父の庾粲の影響を受けながら成長した。若い頃からその才覚をあらわし、初任として奉朝請に任命される。その後、巴陵王のもとで征西参軍として活躍することになる。郢州では秀才として認められ、晋熙王のもとで外兵参軍に任じられ、さらに昇進を重ねていく。

官歴の豊かさ

昇明年間、蕭賾のもとで征虜府功曹に就任し、尚書駕部郎としての任務を担った。彼は清貧を貫き、自ら農業を営み、野草や山菜を主な食物として生活を始める。その簡素な生活が、後に彼をとりまく評判に影響を与えた。彼の友人である任昉は冗談めかして「誰が庾郎を貧しいというのか。彼は鮭を27種類も食べている」という言葉を残している。

その後、庾杲之は蕭賾のもとで撫軍中軍記室に転任し、さらには員外散騎常侍や正員郎としても職務を全うした。中書郎として荊湘二州中正を兼ねるなど、彼の官職は多岐にわたった。

高い評価を受ける

永明年間には王倹のもとで衛将軍長史に任命され、黄門郎や御史中丞を兼任する。当時、武帝（蕭賾）から北魏に対する使者としての役割も与えられ、国の政治に関与する重要な立場に立つこととなった。武帝は特に庾杲之に信任を寄せ、若い諸王たちと交流するよう命じる。

庾杲之は江淹と共に、諸王のもとに5日ごとに訪問し、彼らの成長を見守る役目も担った。このようにして、彼は当時の色々な政治的な出来事にも積極的に関与していった。

晩年と死

その後まもなく、廬陵王中軍長史に任じられた庾杲之は、尚書吏部郎として官僚の選挙業務にも関与するようになる。太子右衛率に転任し、通直常侍としての地位も加わる圧力の中で、彼はさまざまな政策に影響を与え続けた。

永明9年（491年）に彼は51歳で世を去る。彼の死は周囲に深い哀悼をもたらし、彼に対する評価は高かった。死後、彼には「貞子」という諡が贈られ、彼の清貧な生き方とその真摯な姿勢が後世に伝えられた。

資料

庾杲之の生涯については、『南斉書』巻34の列伝第15や『南史』巻49の列伝第39に詳細が記載されており、彼の業績は多くの歴史学者によって広く知られている。

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